今、読んでいる本「失われた 手仕事の思想」塩野米松著

 

佐賀関の漁師の話。

「息子に漁師をやらせなかったのは頭が悪かったから。

頭の悪いやつには漁師はできません。

海も、風も、魚も、同じとき、同じものなんてないからね。

それを判断し、対応し、そのうえ、自分の思うところに思うように、

針を流せるのは馬鹿じゃ無理です。

だから、息子は会社員にしました。

いわれたことぐらいはできるでしょう。」

日本のかつての職人さんのことばだ。

 

障害者雇用の大幅水増し。

中央省庁のほぼ全部が犯していた。

言われたこともできないのが現実か。

 

会社員やお役所務め、

言われたことをきちんとやっていれば、それで充分。

創意工夫や、上司に逆らって新しいチャレンジするのは、規律違反だった。

そういう良き時代が過ぎ去りつつある。

 

近い将来、国は歳出削減で、

お金は出さないが、注文が増えるだろう。

地方は、国が命ずるようにはやっていたら、

自立も発展もできない。

 

これからの時代、

会社も役所も、

若い人の方が、意欲もやりがいもあるだろう。

 

仕事は義務ではなく

楽しみにして、

新しい試みをどんどんとやっていく、

それができない人は、

辞めるしかないだろう。

 

例えば、

地域づくりなら、

職員一人がひとつの地域を担当していたのが、二つや三つになる。

補助金という餌もなくなる。

報告や文書など無駄な事務は不要にして、

アイデアだけが職員の武器。

行動力と知恵がない職員は不要となるだろう。

 

上司や上役は、現状維持を求めるだろうが、

現状維持では仕事ができなくなる。

 

図書館や公民館など公共施設は、

地域社会が運営するようになるだろう。

地域の発展に役立つような使い方に変える。

そうしないと地域づくりもできない。

 

教育と福祉は、地域社会の責務となるだろう。

中小企業経営者の8割は無能だという指摘もある。

 

会社員や公務員が言われることだけをやっていればよい時代は、

過去のことになるだろう。