毎日の散歩

通る道は

高校時代の通学路

 

公園に植えられた樹木は

半世紀以上経ち 

心地よい日陰

高校時代を思い出しながら歩く

 

あの頃の不安はもうない

大きな問題はほとんど解決

吃音さえも

 

青春の頃の切実な願望

「生きることはどういうことか知りたい」

おおかたが叶えられた

 

社会を変えたいという夢だけは

実現できなかった

次代に託すしかない夢

 

何よりも大事な

予想していた以上のものがえられた

 

71歳で

辞世の詩句は早いが

準備しておいても可笑しくはない

 

あの頃の自分と話せるなら

「未来はまったく心配ない」と

教えてあげられるのだが

 

悔やむことも多々ある人生

こればかりは仕方ないだろう

所詮はひとの世だから