各種の世論調査によると、
高齢者の幸せ感は高い。
理由として考えられるのは、
残りの人生が短くなり、
無駄に費やせる時間がないという自覚が、
より幸せになる行動を選ぶことにあるようだ。
幸せになる行動とは、
人とのつながりを安定させる行動。
つまり、家族や近所や友人たちとの
よい関係をつくるような生き方。
(地域づくりの重要性がここにも)
幸せ感と所得水準との関連は複雑。
しかし、
幸せ感と、良好な人間関係は、強い関連がある。
人は本来、社会的な生きもの。
良い人間関係を保つ人ほど、
仕事もうまくいき、収入も上昇する。
体調も安定、健康にもなりえる。
良い人間関係をつくれない人、
例えば、とても孤独な人は、
病気にかかりやすい、従って寿命も短いようだ。
(イギリスでは、孤独担当の大臣が誕生)
孤独は社会的に大問題となりつつある。
老人になるほど、幸福感が高まる理由は他にもある。
老人は青年に比べ、人生への期待値が低い。
実現可能なことを望む。
また、長い人生経験から
情動的にネガティブな反応が起こるような行動を
避けるようになること。
あるいは、ネガティブな刺激に対する感度が鈍くなる。
かつて気に病んだ悩みなどに平気になっていく。
もちろん、すべての老人が寛大になるわけではない、
頑固に意固地になる人も多い。
そういう人は目立つので、
老人は頑迷になるという悪評が広まるのだろうか。
老人の方が、
若い人に比べ、
人生を本当に楽しむようになるようだ。
私も、青年や中年の頃よりも、
今の方が、生活の質が高いと感じている。