金は腐食しない、永続する輝き。

古代より装飾品や貨幣として使われた。

 

金本位制が始まった19世紀初め、全世界で約2万トン。

20世紀初めに約3万トン。

その後採掘技術が進歩して、

1945年に、6万トン。

2000年に、14万トン。

2014年で、18万3600トン(これまで採掘された金の総量)。

現技術で採掘可能な金は、あと数万トンというのが多数説らしい。

 

主要国の中央銀行の保有量。

アメリカの保有量は、8134トン(外貨準備に占める割合は78.2 %)

日本の保有量は、765トン。(同2.1 %)

ドイツは、3413トン(同66.3 %)

フランスは、2541トン(同59.4 %)

 

2008年で、日本の地上資源、都市鉱山として存在する金は約6800トンで、

これは全世界の金の現有量の約16 %にも及ぶ量。

日本の中央銀行の保有量は少ないが、民間保有はかなりな量となる。

 

現在、金の70%~80%は装飾品として利用されている。

金の工業原料として価値はそれほどでもない。

 

現在、金がドル以上に安定資産として評価されるのは何故か。

これが不思議。わけが分からない。

 

金は19世紀から長い間、金本位制のもとで、

通貨の根源として、絶対の信頼を得ていた。

 

1971年、金は国際通貨から切り離され、

金相場は、石油などと同様になった。

 

1971年以降の金相場がおもしろい。

1980年までに10倍以上に急騰。

2000年までに、5分の1に下がり。

2010年までに、また5倍上昇して(1980年の高値のレベルに)

現在まで下降傾向。

 

要するに金相場はとても不安定。

何故なら、金の価値は、それ自体のものではないからだ。

 

19世紀から、金に向かう人々の敬愛の念がある。

金は安定した価値という、熱い信頼感。

 

しかし、実態、中身は空洞なのだ。

金の実用的価値は乏しい。

 

金本位制によって、金の価値が約200年間も安定したのは、

金本位制を支えた、ロンドンの影の努力がある。

19世紀、世界の主要金鉱はイギリスの支配下にあり、

金取引も金価格もコントロールできた。

金の価格を一定に保ち、金の虚像をつくったのは大英帝国。

 

金相場はこれからもジェットコースターが続くだろう。

21世紀が終わることには、やっと虚像も崩壊、

金相場も最低となるだろう。

 

日本人は金が大好き。

外見の輝きに騙されやすい国民かもしれない。