円やドルなど通貨は何故必要なのか。
主な理由は3つ。
・モノやサービスの価値基準。
・交換を媒介する手段。
・頻繁に使われること。
要するに、売り手と買い手を仲介する仕掛けなので、
通貨は使われないと意味がない。
頻繁に使われてこそ、経済活動を盛んにし、
住民の生活向上に役立つ。
この三つの目的が果たせれば充分だ。
さらに、通貨を発行する主体に信用があること。
普通は国が発行する。
通貨は、すべてのモノやサービスの価値の基準。
安定しないと使う人が困る。
通貨の供給は多すぎても少なすぎてもいけない。
通貨それ自体は、いくら安くてもいい。
電子マネーにすれば、現物は不要になる。
通貨の歴史は、金や銀など、希少物が多い。
それ自体がかなり高価だから、偽造が難しい。
だから、通貨と言えば、値段の変わらないモノという印象がある。
しかし、
この世を支配する法則で絶対なものは、
すべてのモノは腐敗するエントロピーの法則。
時とともに、価値が上昇するものはない。
(古美術は、時と共に評価が変わるが)
従って通貨も、時間とともに減額していくのが自然。
これから減額通貨について語る。
すでに過去ブログで何度か書いた。
このアイデアは古い。
ミヒャエル・エンデ、ゲゼル、ケインズ、シュタイナーなどの先覚者たち。
歴史上も、何度か実践され、成功をおさめている。
法的に可能かどうかは別にして、
現在の日本で活用するとするなら、地域通貨が考えられる。
例えば、人口30万程度の市で使う場合を考察。
まず、市の事業の支払いは、すべて地域通貨。
もちろん減額していく通貨。一年で20%程度減額する(タンス預金はなくなるだろう)。
他の地域からモノやサービスを購入するときは、どうするのか。
当地の地域通貨と他の通貨(例えば円)の交換レートが確立できるかによる。
交換レートが安定するには、
地域通貨を発行するその地の暮らしやすさ、
つまり、生活満足度が高ければいい。
雇用、教育、福祉、医療などが充実し、
多様な芸術が豊かな地域づくり。
人々が集まり、活気がうまれる。
その地で暮らすには、
地域通貨を使う他ない。
その地で暮らす魅力が高ければ、
地域通貨の交換レートは安定する。
市内のモノやサービスの取引は、全て地域通貨。
職員給与も、企業の支払いも地域通貨。
地域通貨を円などに交換するときは、
20%の税を徴収する。(一年分の減額に相当)
地方政府の税はこれだけ。とても簡単。
他の地域の生産物を購入するときは、
交換レートで換算される。(20%の税がかかる)
地域通貨の発行は、地域の銀行が行う。
電子マネーだけど、発行量の管理を行う。
20%の税を支払い、円で財産形成する人の
管理をどうするのか、その対策も勿論必要。