死は楽だけど、

死後が大変。

 

親父の死後、

まず、家の片づけ。

毎日2~3時間くらいで約4ケ月。

私も何とか体力があったのでできたが、

今では無理。

 

両親共に、着古した下着(洗濯済)まで丁寧に残している。

靴などは、一生の間使ったもの全てか感じた。

 

母も祖母も着物類も多く、

再利用できないものばかり。

しかし、遺品は一つ一つ手に取ってみた。

 

ゴミは分別しないといけない。

母は裁縫が趣味だったので、端切れやボタン、

長患いで未使用の薬類は特に多い。

チューブに残っている残滓を出すのも一苦労。

中身と入れ物はゴミ分別が違う。

家全体を掃除して、布団は陽に干して、

古いタンスは壊して、燃えるゴミ袋に入れてなどなど。

 

戦前に使用していた客用の膳(大内塗で足がある)も多い。

その膳に載せる什器類。

ほぼ全て、燃えないゴミに入れて袋に。

 

天使(娘)が住んでいた東京のアパートの片づけも

おおごとだった。が

さすがに、家全体の整理は規模が違う。

 

お袋の金銭管理はきちんとしていたから、

どこにも、金目のものはないが。

しかし、見もしないで捨てる訳にはいかない。

 

遺品の整理はたいへんだ。

 

人は生きている間に

自分の持ち物は自分で全部処分するのが、

当たり前の生き方だと思う。

 

家の処分。

遺産分け。

仏壇(祖母の自慢)処分。

そして、檀家をやめ。
これで、すっきり。
くたびれた。
 
私も古稀を過ぎたので、
そろそろ、持ち物を捨てていこうと思う。
本類はだいたい捨てた。
今から取り掛かるのは、手紙類の処分。
 
この世をおさらばするとき、
私は本当にこころから別れをしたい。
気がかりなことや
思い残すことがないように。
 
会いたい人も、少なくなっている。
子や孫のことは、いくらか心残りだが、
これはどうしようもない。
 
日本や人類社会の将来も、
いくらか、気になるが、
これも、どうしようもない。
 
この世とのお別れが、
さびしいのは仕方ない。
別れはそういうもの。
 
しかし、魂とかあって、
死後も、まだいろいろあるというのは、
ごめんこうむりたい。
 
輪廻から永遠におさらば、というのが
私の理想。