人工知能(AI)の進化が話題になっている。
人工知能の最大の限界は、
クオリアを取り入れることができるか、どうか。
クオリアとは、簡単に言えば、
主観的体験の質。
すなわち、当人しかわからない、
あるいは、当人の意識にもあがってこない、
感覚のすべて。
一例を上げれば、
幼児に体験する
母親の肌の匂い、接触感、
安心感、落ち着き、穏やかさ、喜び。
視覚や聴覚や温感など、すべての混じり合った
その当人しか知らない世界。
その体験の質。
それらは、複雑すぎる、
多分、脳の神経組織と体感組織のすべてが
関連している。
そのような実体験を重ねることで
意識がつくられていく。
人工知能が、
クオリアを創るためには、
まず、
人工知能がなにもない無から
自己組織化によってつくられなくてはいけない。
人間と同程度に、
感覚細胞(約60兆)をつくり、
その自己組織化を達成しなくていけない。
遺伝子に頼らずに、
それを成し遂げるのは不可能。
クローンなら可能かもしれないが、
それは生物で、人工知能ではない。
胎児からの
クオリアの集積で、
人間の知能が誕生する。
人工知能には、
それができない。
すなわち、
人工知能には
幸せというような単純な実感さえつくれない。
人工知能ができるのは、
幸せは、
無数の要素の集合であるとして
無数の項目と重みと数値化するプログラムを
つくるだけ。
学習を重ねることで
幸せの指標は有用にはなるが、
幸せな人工知能に変身することはできない。