「海の星座」津村節子著を読んだ。

優れた書き手の本は感動する。

 

宝石のデザイナーとして身を立てる

若い女性の物語。

 

年長の妻ある男性と、年下の独身男性、

二人と同時に付き合いながら、

仕事にも生きがいを見出していく。

 

このように要約すると、

スーパーウーマンのようだが、

ごく普通の悩み多き女性として書いてある。

 

仕事で成功するには運と才が必要。

よき配偶者を見つけるのにも、運と才が要る。

 

親しくなったからといって、

相手のこころが読める訳ではない。

まして、将来の変化まで分からない。

 

それでも、その時、その場の気持ちや流れで

ものごとは進んでいく。

取材をもとに創作された物語だけど、

現実に生じたノンフィクションのような

リアルを感じた小説だった。

とても楽しく、ワクワク、

まるで自分のことであるかのように、

こころが痛んだ。

 

このような青春の危なっかしい話は

年寄りには刺激が強すぎる。

ただ、

ハッピーエンドで安心できた。