なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?

松村嘉浩著、ダイヤモンド社 2016年4月21日発行

 

松村氏は1989年大卒後、外国の大手証券会社に入り、

1996年からドイツ証券、その後、バークレーズ・キャピタルに移籍、

主に、日本国債のトレーディングに従事とある。

 

本の前半を読んでの感想。

 

不安の正体とは、(本の内容を要約)

一つ、科学技術発達が人類に幸せをもたらすという、

    未来を楽観的に見る考えが疑われている。

    例えば、原発の事故。

一つ、日本の場合は、世代間の格差が酷過ぎる。

    60歳以上の世代と10代以下の世代の社会保障の

    受益の差が、一人当たり約1億2000万以上。

一つ、人口減と、豊かさ達成で欲しいものがない現状、

    経済成長は不可能にもかかわらず、ばらまきで

    需要喚起しようとする政府の無策が

    未来への不安をあおっている。

    日銀による国債買い入れ、モラル低下。

一つ、ローマ帝国が滅びた原因の一つに、

    パンとサーカス、政治の大衆迎合がある。

    今の日本の政策は、これと同様。

    やがて行き詰まり、通貨「円」の信用低下。

    インフレ、経済破綻の恐れ。

 

世界的な人口減少と、経済成長の鈍化。

世界のGDPの約10倍のお金が流通している世界。

円の為替取引だけでも、一日に、日本の外貨準備高の10倍以上。

お金があり余って、使い道のないのが現状。

お金はどこに向かうのか、

バブルを作るしかないのではないか。

 

今の世界は、イスラムと西欧との戦争。

クルドなど、抑圧されている民族の権利回復の戦争。

アフリカなど、破綻国家の内乱。

アメリカを初めとして、世界中の国が、貧富の差という

不安定要因を抱えている。

世界中のあちこちで軍隊が動いている。

だから、一見、世界は安定が保たれているように感じるが、

実態は、緊張を作り出し、問題を隠しているのかもしれない。