カミングアウト

この言葉は、使われ始めて、

まだ20年か30年の新しい語彙。

英語のcome outから来ている。

人に知られたくないことを告白する意味。

エイズ患者や同性愛者が世に公表することから

使われ始めたようだ。

 

性的少数者や社会的マイノリティ(部落、在日など)や、

差別や偏見を受けやすい病気の人が、

家庭や友人や職場で告白する場合に使われる言葉。

 

私の吃音が酷かったとき(10才から30才)に

この言葉があれば、

私もカミングアウトを考えたかもしれない。

 

その頃、吃音について知っている人は稀で、

学校の先生は無知、平気で差別していた。

私も吃音を隠すより他に道はない。

 

2004年に発達障害者支援法ができ、

吃音も含まれている。

全国に発達障害支援センターができたが、

吃音に対する適切なサポートができる職員は

まだ少ないのではないかと思う。(これは推測だが)

 

数年前、障害者差別解消法が施行された。

当然、障害者のなかに、吃音が入っている。

吃音で障害者手帳を取得するには、

診断できる医師が必要だが。

 

吃音者の自助団体である全国言友会は、

吃音者への社会的支援の必要性を認識し、

吃音に関する啓蒙活動や、

言語聴覚士など関連の人々との、

意見交換や協力連携の強化を目指し活動している。

 

吃音について学問的研究、

医療・福祉・セルフヘルプグループ活動などに

関わる者の相互交流を図る学会も、

かなり前に発足している。

 

吃音のほとんどの人は、

社会の中で孤立しているのが現状。

合理的で適切な支援を受けられる人は

まだまだ少ない。

 

吃音の経験者は多数いるが、

上記の支援組織などで働くようになれば、

吃音者への具体的支援も、

もっと有効になるのではないかと私は思う。

 

今なら、

吃音のカミングアウトしても、

昔よりも理解が得やすい環境になっている

のではないかと思う。

 

私が住んでいる山口県は、

言友会の空白県。

誰か手をあげて、自助グループを立ち上げないかと、

待ち望んでいるのだが。

私はそんな元気がないが、

ちょっとなら手伝いもできるだろう。