家では父の友達が泊まり込んで父の面倒を看てくれていた
ほんとうにありがたいことだったが
認知症になった父はもうなにもわからなくなってしまったようだった
そのお友達とか介護士さんを泥棒と思ったらしく
あばれて大変なことになってしまった
一人で家に置いておくこともできず
あちこちと連絡してやっと預かってもらえることになった
精神病院の入院病棟だった
そして次の日危篤の知らせが来たのだった
父が暴れたので何かしらの処置がされたそうだ
そうするといきなり意識を失ったということだった
なにがあったのかなにをされたのか
意識のない父を見守りながら
父のまぶたから一筋の涙が流れていた
臨終の直前にはよくあることだと言われたけど
父の悲しい気持ちの表れではないかと
認知症になっても状況はわかっているんではないかと
最後は精神病院にあずかってもらうしかなかった状況が
かわいそうでほかになにかできなかったか
10年を過ぎた今でも思うときがある