
渡辺謙氏が主演とエグゼクティブ・プロデューサーを勤めている程、力を入れている作品である。
監督は、渡辺謙氏指名の堤幸彦氏がメガホンを取っている。
働き盛りの男性が、ある日突然、若年性アルツハイマーを宣告され、そこから色々なものが失われていく過程を描きつつ物語が展開していく。
日々の記憶が、手の平ですくい取った水のように、こぼれ落ちていく。
夫婦の絆、親子の絆、師弟の絆、人は決して一人で生きているわけではないと言う、当たり前の事に病気が気づかせてくれる。
暗くなりがちな物語を、堤監督の絶妙なさじ加減で、ノスタルジックな雰囲気のある作品へと仕上げてある。
樋口可南子氏を中心に脇を固める役者陣も豪華な顔ぶれが揃っていて、安心して物語に入り込める。
個人的に嬉しかったのは、とんねるずのノリさんと、大名優の大滝秀治氏の出演。
どちらも素晴らしい芝居で作品世界に深みと彩りを与えてくれていた。
特に、大滝秀治氏のお芝居は秀逸である。(ラスト近くのシーンは必見です。)
普段、見失いがちな人と人との絆について考える切っ掛けになる作品かと思います。
-こぼれ落ちていく記憶 さだかならざる日常を哀れむ-
Photo:夢現。(ゆめうつつ)
BGM:誕生/中島みゆき♪