広島交響楽団「平和の夕べ」コンサート
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Stage 1
魂の浄化と美しき未来
日時: 2017.8.5(土) 15:00開演
場所: 広島文化学園HBGホール
指揮: 下野竜也
ピアノ: ピーター・ゼルキン
プログラム:
R.シュトラウス / 交響詩「死と変容」op.24
ブラームス/ ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15
ソリスト・アンコール:
J.S.バッハ / ゴルトベルク変奏曲よりアリア
毎年8/5は、主に県外からのデモ行進等のための交通規制で市内の交通が滞るので、少し早めにタクシーに乗って、広島文化学園HBGホールへ向かいました。
「原爆が投下された頃の広島も暑かっただろうけど、これほどまでの猛暑だったでしょうか?」タクシーの運転手さんと、そういう話題になりました。
近年の猛暑は、身体にこたえます。
会場に到着すると、ロビーには、平和のメッセージボードと折り鶴作成のコーナーがありました。
平和のメッセージボードのコーナーでは、
好きなお花の写真のカードをえらんで、カードに平和のメッセージを記入して、ボードに貼り付けさせていただきました。![](https://emoji.ameba.jp/img/user/ba/baby-1eaf/973830.gif)
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広響の楽員さん達は、それぞれの顔写真のカードに平和のメッセージを書かれ、ボードに貼っていらっしゃいました。
折り鶴コーナーでは、平和の祈りをこめて、折り鶴を折りました。
折った鶴は、8/6の平和式典に持っていってくださるのだそうです。
記念式典に行けなくても、平和への祈りを、折り鶴に託すことができました。
舞台とロビーには、ひまわりやアジサイなどの夏のお花が飾られていました。
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1曲目は、R.シュトラウスの「死と変容」。
深い祈りのような響きの曲です。
広島市の松井市長が、演奏会パンフレットに、
広島市は、世界中の人々と「連帯」し、「情熱」を持って「共に生きる」世界を目指し努力を重ねています。この「平和の夕べ」コンサートは、平和への願いが込められた演奏により、72年前に思いを託し、平和への思いを新たにするための催しです。
と、お言葉を寄せていらっしゃいます。
R.シュトラウス「死と変容」で、広響の弦楽器パートは、松井市長のお言葉にある「情熱」が弱いと感じました。
魂をこめて、本気で演奏をしている弦楽器奏者が多くないと思います(特に第1ヴァイオリン)。
音の大きさだけでなく、表現しようとする意志が伝わってこないのです。
楽譜に書かれた音符をミスなく音出しをするのに精一杯なため、プラスアルファが足らない。
魂をこめて演奏していらっしゃるのはコンサートマスターのお2人を含めたごく一部の弦楽器奏者の方のみです。
下野さんの指導により、今後、弦楽器パートが伸びて行かれることを願っています。
(これまでは、大人は褒めて伸ばすべきと思ってあえて指摘したことはなかったのですが、今日は危機感を覚えたので書かせていただきました。下野さんにはおおいに期待しています。)
後半は、本日のメイン、
アメリカ人ピアニスト、ピーター・ゼルキンさんのソロによるブラームスのピアノ協奏曲1番。
ゼルキンさんのメッセージです。![](https://emoji.ameba.jp/img/user/sh/shrimp-10101/886173.gif)
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今回の「平和の夕べ」コンサートにこめられた、深くて強い思いを感じます。
ゼルキンさんのブラームスに感動しました。![](https://emoji.ameba.jp/img/user/93/93net-onlife/2607.gif)
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今年の「平和の夕べ」は、このブラームスを聴けただけで満足です。
今回は、ピアノの調律が特別で、古典調律がされていました。
ミーントーン(中全音律)、しかも、ブラームスに合わせて8分の1シントニックコンマミーントーンです。
先日のすみだトリフォニーの時の調律も同じく古典調律で、1/7シントニックコンマミーントーンだったそうです。
要は、平均律で調律をされていないということです。
純正律のように、三度が純正な響きとなります。
カラヤンの時代は、ピアノの調律は古典調律でされていたそうですから、往年の名ピアニストの音を彷彿とさせる音色を聴くことができました。
そして、ゼルキンさんの最大の特徴である、ビブラートをかけて押さえ込むような打鍵。
ゼルキンさんは、ピアノを弦楽器として扱い、魂をこめて演奏されているのです。
このような音色のブラームスの協奏曲を、これまで生演奏で聴いたことはありません。
ピアノの可能性を超越した美しい音は、まるで天国から降り注ぐように優しく純粋で、かつ、力強い響きでした。
特に2楽章は、レクイエムのような響きが美しかったです。
たくさんのブラボーに答えて、
アンコールは、ゴルトベルク変奏曲より、アリア。
美しくて、涙が溢れました。
ゼルキンさん、広島のために祈ってくださってありがとうございます!
広島に来てくださってありがとうございます。
前日にゼルキンさんは、被爆ピアノを弾かれ、録音されたそうです。
また、ぜひ、広島で弾いてください。
72回目の原爆の日。
広島は、祈りにつつまれます。