広島交響楽団
秋山和慶のディスカバリー・シリーズ
Gift 〜広響の新たな才能と天才モーツァルトの肖像 4
日時: 2017.3.9(木) 18:45開演
場所: アステールプラザ大ホール
指揮: 秋山和慶
ピアノ: 藤原亜美
曲目:
近衛秀麿(編曲):越天楽
大栗裕:管弦楽のための「神話」〜天の岩屋戸の物語による
メシアン:7つの俳諧 〜ピアノと管弦楽のための日本の素描
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
大栗裕:管弦楽のための「神話」〜天の岩屋戸の物語による
メシアン:7つの俳諧 〜ピアノと管弦楽のための日本の素描
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
いよいよ、2001年から続いた秋山先生のディスカバリー・シリーズの最終回。
とうとう、この日がやってきました。
最終回のメインとなる曲目は、
モーツァルトの「ジュピター」と、メシアンの「7つの俳諧」です。
メシアンの「7つの俳諧」の第5曲目は、「宮島と海中の鳥居」というタイトルが付いています。
メシアンは、1962年7月のトゥーランガリラ交響曲の東京初演に合わせて初来日。
公演後に、妻と共に、日本各地を旅しました。
その時の印象をもとに、帰国後まもなく作曲されたのが、7曲からなる「7つの俳諧」です。
広響の井形事務局長の調査によって、メシアンの広島での足取りがわかってきたそうです。
メシアンは、宮島で、鳥居を望む高台で、日没と月の出と鳥居との調和に視線をうばわれ、無言で見つめていたとのこと。(3月7日付 中国新聞朝刊より)
本日の会場、アステールプラザのロビーでは、広島来訪時にメシアン夫妻が、広島のエリザベト音大で演奏した記録が掲示されていました。
その時のプログラムは、「幼子イエズスに注ぐ20の眼差し」より6曲と「アーメンの幻影」。
さて、本番。
ディスカバリーの1曲目は、近衛秀麿編曲による越天楽の管弦楽版。
篳篥や笙などの日本の楽器を西洋の木管楽器や弦楽器で表現する工夫があらわれた面白い曲。
和楽器のような響きを楽しみました。

2曲目は、大栗裕の「神話」。
天照大神の天の岩屋戸の物語からイメージして作られた曲で、ストラヴィンスキーの「春の祭典」を思わせるようなリズム感のある舞曲が鮮やかでした。

3曲目は、楽しみにしていたメシアン「7つの俳諧」。
非常に複雑な拍子を刻む難解な曲です。
たくさんの鳥のさえずりが随所に表現されています。
娘は1月にカンブルラン読響で、「彼方の閃光」を聴いたそうですが、その時は独特の複雑な拍子を刻むためか?終始丁寧にゆっくりと演奏されたのだそう。
秋山先生の指揮も、きちんと拍子を刻まれていて、統制のとれたわかりやすい指揮でした。
肝心の曲は、鳥たちがピーチクパーチクと賑やかに鳴いているよう。
音楽を奏でるというよりも、森の喧騒のようなチューニングの様子をそのまま楽譜に書きおろしたようなナチュラルな曲。
鳥を表す管楽器がそれぞればらばらに複雑なリズムで鳴き声を奏でるのだけど、かなり難しそうです。
予習なしで聴いたので、曲の数を数えながら聴きました。
思ったより聴きやすい曲でした。
非常に演奏が難しくて生で聴く機会は貴重。
滅多に演奏されない難曲が聴けて、よかったです。
休憩をはさんで、後半は、モーツァルトの「ジュピター」。
天上の音楽。
完璧な演奏でした。
4楽章では、思わず涙が出ました。
今でも、耳の中で鳴っています。
モーツァルトのことを、あらためて天才だと感じました。
万雷の拍手とブラボーに包まれて、秋山先生のディスカバリー・シリーズは幕を閉じました。
本当に素晴らしかった・・。
素敵な音楽をおきかせくださり、ありがとうございました。
偉大です。
モーツァルトも、秋山先生も。
ここからは、3/6にリーガロイヤルホテルで開催された広響応援ミュージック・パーティーのお話。
広島経済大学の上田みどり教授が主催されている広響への寄付金集めのためのパーティーで、今年が11回目となるそうです。
以前からパーティーのことは存じていたものの、今回、上田先生から直々にお誘いいただき、初めて参加させていただきました。
楽員さんの室内楽あり、チャリティー・オークションあり、じゃんけんゲームがあり、いろいろな方々と交流でき、和やかなパーティーでした。
秋山先生、広島市長夫妻、岸田外相夫人などの広島の著名人や商工会の方々も出席されていて、出席者は総勢130名くらいだったでしょうか。
これだけの規模のパーティーを企画、継続されてこられた上田先生の奉仕の精神には感銘を受けました。
本日のディスカバリー演奏会の開演前に、ある会員の方から3/6の広響応援ミュージック・パーティーで撮ってくださった写真をいただきました。

ありがとうございました。
普段、会場でお見かけして挨拶したり、コンサートの感想で盛り上がったりしつつも、お名前も知らなかった定期会員さん達。
この機会に、お名前を教えていただいたりして、交流が深まったのも嬉しかったです。

広響を囲む人々の和気藹々とした雰囲気は、広島の宝ですね。
いよいよ、3/18は、秋山先生のラスト定期。
心の準備をして、聴きにまいります。



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