エフゲニー・キーシンのピアノリサイタル2014年日本公演、
初日の、大阪、ザ・シンフォニーホールに行ってまいりました。



日時: 2014年4月13日(日)15時開演
場所: ザ・シンフォニーホール 【大阪】
プログラム:
 シューベルト  ピアノ・ソナタ第17番ニ長調 Op.53
 スクリャービン ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」嬰ト短調Op.19
 スクリャービン 「12の練習曲」Op.8より
        2,4,5,8,9,11,12番



まず、最初に。
関西のクラシックコンサートのチラシは、全般的に、キャッチコピーがわかりやすくて斬新。
面白いと思います。
「完全無欠のピアニズム」 「現代最高のピアニスト」
同じ日本ツアーでも、東京公演とは異なります。
チラシ裏のPR文も、とても親しみやすくて面白いのです。
大好きです。こういう表現。
遠くからでも演奏会に足を運びたくなります。
クラシック音楽の敷居が、グッと低くなるようです。
見習わないといけません。

先週の兵庫県立芸術センターでのアンスネスのピアノリサイタルが、
急病で中止になったのが残念でした。
アンスネス、代替公演があればよかったのですが…。
昨年末のツィメルマンも延期になり、超一流ピアニストの急病が続いていました。
ということで、まずは、キーシンが舞台に登場した時は、ホッとしました。

さて、演奏ですが、
陳腐な言葉では表現できない素晴らしいものでした。
妥協のない完璧な芸術性。
淡々と、ピアノから芸術を紡ぎだしていく、真摯な姿。
進化し続ける巨匠。
40歳すぎてなお少年のような新鮮な雰囲気があります。
クリスタルのような硬質の変化に富んだ澄んだ音色。
全てが特別です。

アンコールの後も鳴り止まない拍手。
勿論、スタンディング・オべイションです。
アンコール3曲目のショパン「英雄ポロネーズ」は白眉。
もはや、アンコールにこれ以上の完成された曲はないのではないかと思え、
これ以上のアンコールは無用、お腹一杯、
だけど、いつまでもキーシンを讃えたい気持ちで拍手を送り続けました。
(英雄ポロネーズの作品番号…。スクリャービンの練習曲の番号です)

音色の好みは人それぞれかもしれません。
私は基本的には柔らかく粘性のある音が好きです。
しかし、キーシンの音楽は音色の好みを超越して、圧倒的に素晴らしい、の一言です。

舞台上で、聴衆に何度も深々とお辞儀する姿。
演奏途中で聴衆のひとりが奇声を発して会場の集中力が途切れても、
いっこうに動じた様子もなく自分の世界を表現し続ける姿。
ひとつひとつに感服です。

♪ ♪ ♪

さて、終演後は、大阪の造幣局の桜の通り抜けに行って参りました。


全長560メートルの一方通行、圧巻の桜です。
今年は、4月11日(木)から17日(木)まで。
午前9時から夜9時までです。


家を出るとき、広島は大雨でしたので、雨支度で行きましたが、大阪は終日曇り。
雨が降らず、よかったです。
コンサート終演後でしたので、到着は夕方。
日没後もぼんぼりでライトアップされ、見事な桜を楽しむことができました。


かつて桜の名所だった荒川堤にあった桜がたくさんあり、まるで桜の植物園!
枝の広がり方も美しく、手入れが行き届いていて、
管理をなさっている方々の努力に頭が下がりました。
桜への愛情を感じました。

よいものを見せてくださり、ありがとうございました。