「 新卒年収1000万円 くら寿司、幹部候補生募集 」
〝ビジネスレベルの英語力を持つ２６歳以下の人〟を対象にした求人募集でしたが、この日経新聞に掲載された記事の見出しは耳目を集めました。 くら寿司では、2020年入社の新卒から最大10人程採用するとありました。 ビジネスレベルの英語力を持っていれば、初年度から1000万円もらえるという、英語オタク、英会話オタクには願ってもない、耳寄りな就職情報です。 このくら寿司は、米国で２１店、台湾でも18店を運営しており、今後も海外で回転ずし店を毎年10店程度出店する中、グローバルに経営を担える人材を確保するために、と打ち出した意欲的な人事政策です。
その幹部候補生は、入社後二年間は店舗での研修や購買部などでの職場内訓練(OJT)を受け、その後一年程度海外研修に参加した後、適材適所の部署に配属され部長職相当の業務を担わせるそうです。また既存の社員でも【 ビジネスレベルの英語力を持つ 】という応募条件を満たせば、申し込めるそうです。
ちなみに、くら寿司は2020年春は前年並みの２２０人を採用する予定ですが、有価証券報告書によれば、同社の従業員の平均賃金は約４５０万円とのこと。だから特別枠で入社する【 ビジネスレベルの英語力を持つ幹部候補生 】は、研修中にOJTで教えてくれる先輩や上司の倍以上の給与をもらいながら、一から業務を教わることになります。 彼らに教える先輩たちの心中や如何に・・・ というのは、この際どうでもよくて、問題は【 ビジネスレベルの英語力を持つ人材 】という事。
今回の採用条件は【 26歳以下でビジネスレベルの英語力を持つ 】ですが、英会話がペラペラなら大丈夫なのでしょうか?
これは場合によっては大変難しい要件である事が分かります。
【ビジネスレベルの英語力 】ってどういう事 ?
例えば、＜英検●級以上とかTOEIC●●●点以上 ＞ とかいう事でしょうか? それなら話は簡単、その基準を満たす英会話オタク、英語オタクは沢山いるでしょう。
しかし要件が、＜ビジネス英会話ができ、ビジネスメールなどの文書のやり取りもできる＞ ということなら、これは大変です。外資系の会社などでの実務経験が必須になるからです。
英語を学ぶ人ならわかる話ですが、英語とビジネス英語は違います。たとえ英検一級を持っているような英会話ペラペラの大学生でも、ビジネス英会話は出来ません。( というのは、もし英語でなく日本語で話すとしても、東大生・早慶であれ学生では、商談などのビジネス会話はできないからです。実社会での実務経験がない人が、本で勉強した知識だけでビジネス会話を教える事などできません。【 ビジネス会話は、会社の先輩などから教わりながら実社会の中で身に付いていきます】)
しからば【 ビジネスレベルの英語力を持つ 】という事が、＜ビジネス英会話ができ、ビジネスメールなどの文書のやり取りもできる＞という事を意味するなら、学校を卒業してから 【 外資系の会社などでの実務経験がある 】もしくは 【 ビジネス英会話学校でビジネス英語をしっかり学んだ 】 26歳以下の者だけが、応募要件を満たすことになります。これはとても狭き門です。
そもそも英会話学校で教える英会話講師の多くは、実社会でのビジネス経験がありません。
例えば、レアジョブをはじめとする ＜ フィリピン人大学生 ＞ が教えるビジネス英会話学校も増えていますし、大手英会話スクールでは欧米人ではあるものの新卒で社会経験のない講師がテキストに沿って教えるという例も散見されます。中小英会話スクールに至っては六本木で遊んでいるような外国人を引っ張ってきて教えさせているという話も聞きます。これらの先生からは、とても【ビジネスレベルの英語力 】は身に付けられません。
英語であれ日本語であれ、ビジネス会話は社会でのビジネス経験のある、ベテランビジネスマンから習わないと、話になりません。
【ビジネスレベルの英語力 】を習得させられる英会話スクールは、ビジネス英会話に特化して教えてきている歴史ある日米会話学院など古参の数校と、開校してまだ２０年ですがハーバード卒などのベテラン・ビジネスマンだけにビジネス英会話レッスンを担当させている電話英会話レッスンのデイリーコールくらいしかありません。
さて話をもとに戻しますが、 「 英語ができれば金になる ! 」 というのを、現実化させたのがくら寿司の1000万円社員の募集でした。
ソフトバンクや楽天などではIT人材には ＜初任給30%増し＞ などの人事政策をとっていますが、くら寿司は英語ができれば ＜初任給100%増し＞ 以上の大盤振る舞い。 ITどころではありません。英語・英会話で大金持ちになれる大チャンスですねっ !
改めて、これからはますます英語っ!! 英語が出来ると、高収入が得られそうです。趣味と実益を兼ねて、さらに英語の勉強を進めたいものですね。