セディナ枠での当選。

友の会でも申し込みしたけど…安定の落選。

 

 

まさか取れると思っていなかったのでラッキーでした。

月組生時代から見ている暁さん。

当初はそんなに好きではありませんでした。

なんとなく実力と配役が合っていないように思っていたのです。

本当…何様だよ!って思うけれどそう感じていた。

御曹司として育てるためなのだろうけれど

そのスピード感についていけなかった私。

それが少しずつ変わってきたのが『THE LAST PARTY』のハミングウェイ。

この作品で「素敵かも」と思うようになって

お芝居、ショーどちらも注目するようになりました。

そして…星組への組替え。

どんどん素敵になっていき…

単独主演公演を申し込むまでになりました。

この回は『暁千星』をじっくり見ることができる。

 

ヒロインは瑠璃花夏さん‼

これは抜擢といっていいのかな。

SNS上では「抜擢」と見たような気がします。

彼女をしっかり見たのは『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』からです。

『1789』のシャルロット、『RRR』のマッリで歌ウマさんなのがわかった。

バウ公演のヒロイン経験はなくて、この公演が東上公演初ヒロイン。

 

会場は東京建物Brillia HALL。

見にくい劇場で有名なところです。

A席なので1番上です。

手すりが邪魔にならない席で良かったけど…

相変わらずの狭さです。

自分より奥に誰も座らないならいいんだけど

世の中…そううまくはいきません。

これが比較的新しい劇場というのが残念でならない。

でもトイレは綺麗だった。

 

原作ありの作品。

チケットが取れてから観劇までに時間があったので

原作を読もうかと思ったけれど

上下巻と長編だったのでやめました。

読むかは観劇してから考えることにした。

演出は鈴木圭先生。

かなりお久しぶりの先生です。

私の記憶だと…真飛さんのサヨナラ公演が最後です。

何年前だよ?って感じがします。

ほぼ初めましてと言ってもいいかもしれない。

 

1幕

過去と現在が入り交じっている感じ

限られた時間だからピップ(@暁千星)が社交界に飲まれていく感じはカットされている。

姉のジョージアナ(@澪乃桜季)やジョー(@美稀千種)に対しての態度や

弁護士のジャガーズ(@朝水りょう)のセリフからピップの変化を感じる。

 

親友となったハーバード(@稀惺かずと)はなかなかいい人そう。

少しピップに頼りすぎな感じがある、

恋人のクララ(@愛花いと)がしっかりしているのが救いかも。

ジャガーズの女中・モリー(@紫りら)が謎でした。

ミス・ハヴィシャム(@七星美妃)は壊れてしまっている。

すべての時間が止まっていて男性への復讐のために生きている。

エステラ(@瑠璃花夏)は夫人の道具なのかもしれないけれど

ピップに対してはどうなのかな。

少女時代のエステラ(@乙華菜乃)の出番が結構多い。

ソロもあるし、結構いい役でした。

 

少年時代のピップ(@藍羽ひより)は純粋そのもの。

少年時代に助けた(…知り合った?)脱獄囚のエイベル(@輝咲玲央)との出会いが

ピップの運命を変えた。

少年ピップは恐怖心からエイベルの言うことを聞いたんだろうけれど

コンペイソン(@夕渚りょう)は出てきても謎が多い。

話が進むにつれて…こいつが1番の悪ということに気が付く。

 

エステラに似合う男になるために「紳士」になることを夢見たピップ。

とある人物からの大いなる遺産でロンドンで紳士になることを選んだけれど

ロンドンでピップの素直さがどんどんなくなっていく。

闇に堕ちるの早いです。

ピップの中にある闇(@天飛華音)が良い仕事をしています。

ピップの心の中では闇だけど、現実世界ではドラムルという恋敵になる。

 

人間がそれぞれの役をやっているから分かりやすいけれど

小説から入っていたら理解できたか自信ない。

 

2幕

なかなかスピード感のある展開。

セリフの前後で理解する部分はあるけれど

展開が早いから飽きることなく見ていられた。

 

すべての登場人物が繋がっていた。

その真実はなかなかヘビー。

 

事の始まりは、ミス・ハヴィシャムの結婚。

ミス・ハヴィシャムの最愛の人はコンペイソン。

コンペイソンは金欲しさはミス・ハヴィシャムに近づいて

結婚式当日に姿を消した。

その裏切りにより、男を恨み復讐することを誓うミス・ハヴィシャム。

 

コンペイソンから預かった手紙をミス・ハヴィシャムに渡したのがエイベル。

エイベルには妻と娘がいた。

その妻がモリーで、娘がエステラだった。

エイベルはコンペイソンの悪事に手を貸してしまった。

それによりモリーはコンペイソンの妻を殺害してしまう。

ここで弁護士のジャガーズが登場する。

ミス・ハヴィシャムは「女の子が欲しい」とジャガーズに相談した。

ジャガーズはモリーにエステラを渡すように持ち掛ける。

そうすれば、モリーのことを全力で守ることと約束した。

あとは「エステラを犯罪者の娘にしない」「裕福な家で何不自由なく暮らせる」と

伝えてエステラを手放すように話を進めた。

エイベルにはエステラは流行り病で死んだと嘘を伝えた。

エステラはミス・ハヴィシャムの元で、男に復讐するために教育された。

ミス・ハヴィシャムの狙い通り、エステラは美しい娘に成長して

社交界では男性の憧れの的となった。

 

エステラは感情がないけれど、ピップだけは不幸にしたくないと感じていた。

それは大人になっても変わらなかった。

 

ピップに入った遺産はエイベルからのものであった。

エイベルは自分を助けてくれたピップのことを本当の息子のように思い

ピップの「紳士になる」という夢をかなえてあげようとした。

警察に捕まる危険を犯してもエイベルはピップに会いに来た。

最初は、エイベルを警戒していたピップだったけれど

事の真相を知ってからはエイベルを亡命させようとした。

だけど、ピップの中にある闇が邪魔をしようとする。

ピップは負けなかった。

姉が亡くなっても連絡をもらえなかったことだったり

ビディ(@綾音美蘭)からの他人行儀な手紙を読んだりして

ピップ自身が少しずつ何かに気が付いたのかもしれない。

 

コンペイソンは最後の最後まで嫌な奴でした。

エイベルは自分の死期が近いことを知ったからピップに会いに来た。

最期の時、ピップはエイベルにエステラが生きていることを伝えた。

エイベルの最期は穏やかでした。

 

ミス・ハヴィシャムはエステラに裏切られた。

エステラはドラムルと婚約をした。

それがミス・ハヴィシャムにとっては裏切りであった。

ミス・ハヴィシャムは彼女なりにエステラを愛していたのかもしれないけれど

突然、母親と離れ離れになった幼い少女にとっては気づけないでしょう。

 

2幕になってから「大いなる遺産」というワードがたくさん出てきた。

最初はピップが受け継いだ遺産(お金)のことかと思ったけれど

借金まみれになったピップを救ってくれたのはジョーだった。

ジョーがピップの借金を全額肩代わりしてくれたのだ。

ジョーとの友情も「大いなる遺産」なのかもしれない。

騒ぎに巻き込んでしまったハーバードに対してピップは匿名で寄付をした。

その寄付はピップが受け継いだ遺産であった。

ピップは多額の遺産を受け取ったことで堕落したけれど

お金では買えない友情に気づくことができたし

お金で人助けをすることもできた。

 

ピップとエステラの障害になりそうな人物である

ミス・ハヴィシャムとドラムルは不慮の事故で亡くなった。

2人の障害となる人物はいなくなったのだ。

ピップはどんな高慢、傷つけられてもエステラを思っていた。

そして、エステラも失った感情を取り戻して、ピップを愛したと思っていた。

 

エステラはミス・ハヴィシャムに引き取られてから闇の中にいた。

ピップもロンドンに行ってから闇に落ちた。

ようやく2人にとっての夜明けがやってきたのだ。

このラストがまさにタイトルだと思いました。

ヘビーな真実だからこそ、希望の光を感じることができました。

 

ラストシーンは、ピップとエステラのデュエットダンスでした。

ようやく2人に訪れた幸せな時間であり、ファーストダンスなようでした。

 

群舞は闇のパートでした。

これがとってもカッコよかった。

 

暁さんのソロパートはとってもかっこよかった。

『暁千星』といえば私の中では回転なんです。

それをじっくり見ることが出来ました。

 

皆様、いい仕事をしていました。

星組生を全然知らない私でしたが、どの配役も合っていたように思いました。

暁さんは全編を通して感情の変化が分かりやすくてよかったし

瑠璃さんの感情がなく、お高く止まっている感じも似合っていた。

美稀組長と綾音さんは優しさに溢れていて良かった。

七星さんの雰囲気がとても不思議で良かった。

天飛さんの闇がすごく好きでした。

闇のダンサーさんたちもすごく素敵でした。

子役と演じた乙華さんと藍羽さんも可愛らしくて良かった。

…とにかく良い作品でした!

希望を感じるラストって…見てて救われるからいいですね。

 

この回、星組メンバーが観劇されていたようです。

前日も別のメンバーがいらしていたようです。

千秋楽間近の公演ということもあり

世界観に集中できました。

 

星組、いいかもしれない。

 

次の大劇場公演は舞空さんの退団公演。

少しずつ抽選が始まったので申し込みを始めています。

せめて…1回観劇できますように。