DVD化されているものを公式がYoutubeなどにアップロードする という行為に対する違和感が拭えないのです。
権利とか、そういうことに対して真摯に向き合っていた人がそれをやった時に、ああこれはまずいことになっているんだなあと思いました。
いや、言い訳というか懺悔をさせてもらいますと、私も違法アップロードされている動画を見る、という軽犯罪は犯しまくっています。最近あんまりしなくなったけど。
最近よーく見てるゲーム実況も、法律的にはかなり黒に近いらしいですよ。ちょっと考えればわかる。でも実況によってもたらされる利益のほうが大きいんだろうなあ、日本人ってすげえや。
テレビとかYouTubeなどの動画配信サイトとか、享受したもに対して直接の対価をお金として支払わなくていい仕組みがこの世の中にはたくさんあります。
生まれた時から家にパソコンがあり、学校でも使い方を教わり、インターネットやテクノロジーとともに育ってきた私たちチーム平成生まれは、権利のことを知らないというよりは、考えないと権利を犯してしまう可能性が大きい時代に生きていると思います。
昔だって、ラジオからテープに録音する技術はありました。しかしそれを不特定多数に発信することはできませんでしたよね。ところでテープに録音、は個人利用の範囲だからいいんだよね?法律ってぼんやりしてていやね〜
しかし不特定多数に発信、ということが素人でも簡単にできるテクノロジーが爆誕しました。
((テクノロジー))
やってることや感覚は昔と変わらなくても(まあ昔知らねえんだけどな)、無意識に権利侵害を行っている可能性があるのです。
友達に有名な曲を歌って聞かせていた人はきっといるでしょう。歌ってみた、と同じです。
昨日見た面白かった番組を録画してVHSに落としていた人きっといるでしょう。それの規模がでかくなったのが違法アップロードです。
テレビの前でみんなでゲームしてる時、異様に喋りが面白い奴がいたでしょう。ゲーム実況はきっとそれの延長です。
とにかく、無料で受けられるエンタメ、がとても多い時代に生まれました。
とある大手無料通話アプリが音楽配信サービスを始め、それが有料化された時に私たち世代から「なんで無料にしたんだ」と叩かれたそうです。お恥ずかしいです。
いやこんな時代を作り上げたのは大人なんじゃないか?
まあいいや犯人探しをしているわけではないですので責任の押し付け合いはやめましょう。
確かに、エンターテイメントが多くの人に手軽に伝わることは大切なこと。その中の一つとして「無償」というのは有料区な手段ではありますが、それが普通の手段として成り立ってしまったら、価値は下がっていく一方です。
かつては最底辺の職業であった芸能が、また底辺に成り下がっていきます。
もしエンタメがこの世からなくなったら、とんでもなく乾いた、つまらない世界が出来上がります。
エンタメは決してビジネスではない。だけどお金がないとやっていけない。これは絶対ルールなのです。
私たち世代がさらされている危機は、私たち世代の中で「エンターテイメントは無償で受けられて当たり前」という概念が一般化するということ。
今やCDやDVDを購入する目的は付加価値です。まあ私も「手元に残る物体」という付加価値にお金を払っているようなもんなのですが・・・・一緒か。
作り手側が、受け手にお金を払わせるだけの価値があるものを作るという責任はもちろんとても大きいです。だけどそれと同時に、そのエンタメには払うお金以上にいろいろな苦労が隠れているということを受け手としては絶対に忘れてはいけません。
「エンタメに金を払え」という感覚は、アメリカではきちんと身についている気がします。それは「若いから安くしてあげる」がきちんと浸透しているからだと思います。
例えば歴史的ミュージカルRENT。初演時には亡くなっていた作者ジョナサンラーソンは、お金のない学生や若い人にも見てもらおう、と前列2列の当日券を破格の値段で販売。20ドルとか。これが今の「ラッシュチケット」につながっているのかはわかりませんが、一部は安く手に入る、そしてもっとお金を払いたくなる、という土壌があります。
アメリカの美術館はほとんどの美術館で週に一回や月に一回、無料で入館できる日が設けられています。
こういうのは結果的にエンタメに金を払うという当たり前が当たり前を作っているんだと思います。
授業でも「エンターテイメントはお金がかかるんです」とはっきり言われました。
その結果、多くの学生はお金を払ってスポティファイを利用していますし、Netflixの加入率はもうほぼ100%です。ネットフリックス加入してやろうかと思ったぜ。
無料音楽ストリーミングサービスとか、無料で漫画がどうだとか、そんなことで騒ぐのは本当にかっこ悪いぞ、チーム平成生まれ!!!!!!外に対しても、大人に対しても。
そしてたまに「ファンによって勝手に編集されたPVのようなもの」を自分でリツイートとかしているアーティストや、知ってもらうことが大事だから違法アップとか痛くもかゆくもねえぜ!みたいなこと言ってる創作者は本当にどうかしていると思う。あなたの体の一部とも言える「作品」をどうか大事にしてほしいと思うのです。私は絶対そんなことしないなあ。
テレビドラマやテレビ番組、ユーチューバーの動画、ツイッターやインスタに上がっている絵や漫画を含め、無料で「楽しい」が享受できることのありがたさを忘れないようにしたいと思います。そして払うべき時にはきちんと払う。
私が大人になって、提供する側になった場合、下の世代にはできるだけ手軽に、同世代より上にはきちんと、対価を払ってもらえるようなエンタメができたらいいなと思います。
いいから黙って金を払え。
いいから黙って働かせろ。
(ビザの関係で仕事ができない生活から解放まであと1ヶ月!)(こちらも法律には抗えぬ)