今から25年前、その製品は K市 交通局で使用している何かの電源ユニットらしく、製造メーカーから最後の修理品として宅急便で返送した物が輸送途中で紛失。
この製品は数年前に製造中止となっているため、現物を解析して同じ物を作って欲しいとの K市 交通局からの依頼でした。
ただし、予備品が紛失したため、実際に使用している装置から外して、借用できるのは、1週間のみ。
さらに、解析のための部品の分解はできません。
このような状況の中、内部基板から回路配線を追っていき、何とか回路設計はできたのですが、特殊仕様のトランスの詳細が分からず、分解不可のため、勘で、類似品を製作。
ケース設計も含めて、2個製作し、実際の現場に行きました。
何と、装置は電車を吊り上げるための大型の天井クレーンでした。
まさか、天井クレーンの上に乗っての動作確認とは驚きの連続で、担当者曰く、「正常動作するかどうかは、すぐに分かりますよ」
でしたが、そんな問題ではなく、高所にいるので、誤動作すれば危険極まりなく、逆にクレーンを破壊したら、とんでも無いことになります。
制御装置から判断して、製作したユニットは電源ではなく、多重信号伝送用のユニットであり、特殊仕様のトランスは信号重畳用の役目をしている事がわかりましたが、想定外でした。
しかしながら、結果的に、運よく、クレーンは正常に動作し、とても感謝されました。
当初、紛失の保険適用で、「お金はいくらでも出します」 とは言われましたが、現物を事前に見ていたら、断っていたと思います。
当時はこんな ”荒業(あらわざ)” が許されたのかも知れません。
