さんきちの日々ファイル -73ページ目

さんきちの日々ファイル

ごくごく普通の日常です。

市役所の開庁は午前8時半。

今日も朝っぱらから窓口に駆け込んでくるお客様。

「すみません!」

「おはようございます」

息を切らし、切羽詰まった声の主と目が合い、さっそく

窓口へ駆け寄る私。朝の挨拶は基本です。

 

「こんなのが来たんですけど!」

黄色い封筒を差し出すその手はキラキラネイル。通称・魔女の手。

封筒の色を見て私はだいたい察しがつく。そう、これは年金事務所からの督促状だ。

 

とりあえず本人確認させてもらう。出してくれた運転免許証の顔写真と、

今目の前にいる主と同一人物か?なんて疑念はさておき。

20代半ばのメイクばっちりお姉さんの年金納付状況を年金事務所に問い合わせる。

 

綺麗に身支度して(書き方がババくさいわねぇ)

爪もオシャレして

サラサラなロングヘアーで

待っている間、暇つぶし?バックから取り出したスマホは

表札か?ってくらいデカイ

 

年金事務所からの回答を伝えて(納付状況など)

封筒の意味を説明すると、お姉さんは「イヤーっ」って顔して

「お金ないです!払えません!」

うんうん、だからこの封筒が来たんだよ・・・

 

しかるべき手続きを説明し、免除の申請書に記入してもらいました。

免除のランクは退職特例を使えば有利なパターンが多い。

 

未納にしてはダメです。納付に猶予が欲しければ免除制度をご利用くだされ。

 

「これで払わなくていいんですね?」

魔女の爪でもボールペンはちゃんと持てるらしい。さっさと記入しながら

念押しのように聞いてこられたので

「年金事務所からの決定通知をご確認くださいね」

私たちは年金事務所の下請けだから、迂闊に返事できないのよ。

文句があるならベルサイユ・・・いや、年金事務所へどうぞ。

 

自席に戻った私に、同僚で同じ会計年度職員さんが声かけてきた。

「あんな爪してスマホ持って・・・なんで払わんの?若いんだから働け!」

私は薄ら笑いを浮かべるしかない。

まだ市役所に駆け込んでくるだけマシだから。

黄色い封筒が届いてもほったらかしにしていると・・・

 

赤い封筒が届きますよ。

(正確にはピンクでしたが)

 

差し押さえの一歩手前みたいな・・・。

 

 

 

注意! あくまでも私が当時担当していた頃の話です。制度も変わっているかもしれません。

年金についての確認は日本年金機構またはお近くの年金事務所へお願いします。