孤独は山ではなく街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の間にある。
<人生論ノート;三木清>
これは旅行中に切に感じたこと。ニューヨークのタイムズスクウェアの前で大勢の人ごみを掻き分けて歩いたとき強い孤独を感じたが、ロッキー山脈で誰一人いない広野に1人で佇んだ時は不思議とそこに孤独はなかった。大自然と向き合うとき、内から漲る力を感じ、なんだか自分も大きくなったような気がした。自分が人類の集合体であるような感覚。
振り返って街を行く大勢の人々について考えるとまた違った印象がめばえる。群集の誰か一人でいいからその人の背中を見て身なりや表情からその人の生き様を勝手に想像してみる。生まれ、育ち、仕事と家庭を持ち、あるいは持たず、人生の甘美な部分と辛酸をなめ、いつかは独りになり、土になっていくのだと思うと、自分ひとりが孤独ではないことに気付く。