2010年 7月11日
FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会
決勝戦
オランダ 0-1 スペイン
得点:116分(延長 後半11分)
スペイン - アンドレス イニエスタ
1ヶ月に及ぶ長い戦いを締めくくる決勝戦は
延長戦にもつれ込む大激戦となりました。
序盤からボールを支配しながらパスをつないでいく
持ち味のサッカーを展開しようと狙っている
スペインに対して、オランダは伝統の前線からの
早いチェックでボールを奪ってカウンターに
持ち込む攻防を繰り広げます。
前半にはスペインがセルヒオ ラモスの
ヘディングで決定機を迎えますが
それも決まらずオランダは助かります。
オランダも攻撃に切り替えると一気に行きますが
あと少しのところではじかれてしまいます。
後半になると攻守の切り替えも早くなり
お互いに何度か決定的な場面を迎えます。
スペインはビジャのダイレクトボレーが
サイドネットに掛かる惜しい場面もあれば
前半と同じくセルヒオ ラモスがフリーになって
ヘディングをしますがゴール上に外します。
一方のオランダもエースFWロッベンが
ボールを持ってからスピードを活かして
スペインゴールに襲い掛かりますが、スペインGK
カシージャスが再三の危機を好セーブで救います。
両チームとも決定力に欠けた状態で延長へ。
延長になると、スペインが押し気味に。
スペインMFイニエスタがボールを持つと
得意のドリブルで守備をかく乱します。
さらに、交代で入った右サイドのヘスス ナバスが
切れのいい上がりで何度もチャンスを作ります。
押され続けて思ったとおりに行かず焦れたオランダは
ファウルを重ねて警告の枚数が増えていきます。
そして、延長後半にはオランダのセンターバック
DFハイティンガが2枚目の警告で退場で
スペインに数的優位を与えてしまいます。
スペインは後半に交代で入ったファブレガスや
延長後半から投入したフェルナンド トーレスが
前線で攻撃の形を作って得点の機会を窺います。
それがようやく形になったのが延長後半11分、
トーレスが上げたクロスをオランダDFがクリア。
そのボールをファブレガスが拾ってイニエスタに渡すと
それを冷静にボレーでゴールに突き刺して先制します。
この時点で残り時間4分、最後までオランダも
攻撃を続けますがそのままタイムアップ。
オランダ10枚、スペインも5枚という
実に15枚のイエローカードが飛び交った荒れた試合は
スペインがW杯史上8ヶ国目の王座に輝き
念願の初優勝を果たします☆
一方のオランダは実に3度目の決勝で
「3度目の正直」を狙っていたのですが
今回も最後の最後で手元から栄冠が
すり抜けてしまいました。
優勝したスペインはグループリーグ初戦で
スイスに敗れて黒星スタートでした。
そこから立て直しての優勝というのは
実に史上初なんだそうです。
華麗なパスサッカーが身上だったスペインは
攻撃の不発で苦戦してましたが、堅実な守備は
参加国でトップクラスを誇っていました。
しっかり守りながら、攻撃に出ると綺麗にパスをつないで
相手守備陣を切り裂く破壊力が持ち味です。
この試合、勢いでは完全にオランダでしたけど
実際に試合を見ていたらオランダの攻撃が
ロッベンやスナイデルの個人技に頼るような
場面が散見されて、どうしても上手く行かないと
孤立してしまってから回りする場面も増えてきました。
また、交代のカードの切り方もスペインのほうが
うまく使っていると感じられました。
スペインは2008年の欧州選手権を勝ってから
いまひとつ調子に乗れないまま迎えた今大会を
とてもいいチーム力で勝ち抜いたと思います。
メッシのような群を抜いたドリブラーもいなければ、
クローゼのような高くて破壊力のあるストライカーもいません。
そして、ブラジルのような強固で2人とも高い
センターバックもいません。
それでも、スペインのセンターバックのひとりであるプジョルは
180cmに満たない高さでヘディングに勝つ強さがあります。
そして勝ち上がることができたのは、しっかりとした
攻撃・守備の形を作って実践できたからだと思います。
個々の能力を存分に発揮した結果の優勝でした。
日本がこれから世界でトップを目指すためには
スペインのサッカーの中にたくさんのヒントがあるということを
よく聞きました。今回の決勝戦を見ていると
それが少しずつわかってきたような気がします☆
嗚呼、何はともあれ
寝不足から解消されます。。。
みなさんも大会期間中、大変にお疲れ様でした♪