『情動』 新津きよみ | 鈴と空のブログ

鈴と空のブログ

読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

情動/新津きよみ
¥1,575
Amazon.co.jp


情が動き、繋がりが螺旋を描くその果てに
七つの家族のカタチ


弟夫婦の子供、翔が生まれたとき
「あら、目元が由希によく似ているわね」
と言ったのは由希の母だった。
似ていたのは顔だけではなかった。
成長していく翔から、絵の才能を垣間見る由希。
画家になることが夢だった由希は、翔に絵の指導をするようになる。
次第にその思いは過剰なまでに強くなる。
しかし大きく育つ翔から、絵を描く時間が他のものに奪われていき……。
他6編、家族の繋がりを様々に描く珠玉の短編集。
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆

3つ寄りの4つ。


「家族の繋がり」ではあるけれど、温かい絆の話ではなく
ちょっと歪でゾワッとする話だったり
いくつかの掛け違いが重なってとんでもない結末を迎える話だったり。


そもそも結婚自体の経験がない私が言うのもなんだけど、
元夫の母親との友人付き合いというのは想像も理解もできそうにない。


「兄」への憧れというのはわからんでもないけれど、
だからといって実姉の夫と、というのは私には分からない。


反対に、こちらを理解してくれない、
分かろうともしてくれない(としか思えない)家族の態度・言動に
傷ついたり苛立ったりする気持ちはとてもよく分かる。


実家で家族と暮らしている今はとても楽で居心地はいいけど、
未来の自分はあの人やこの人かもしれない、と思ったりもする。


物語として「面白かった!大満足!」というと言い過ぎな気もするけど、
とにかく何だかゾワッとしたのが一番の印象。