- 占拠ダンス/木宮 条太郎
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
こんな馬鹿会社に、存在意義などない
信託銀行で、社員による前代未聞のストライキが発生。
たった一人の占拠犯が露呈させたのは、
金融機関のかくも浅ましく杜撰な経営体系だった。
――――― 帯より
邦和信託銀行神田支店。
ある朝、開店時間を過ぎてもシャッターが開かない。
一社員の嫌がらせかと高を括る上層部だったが、
立てこもった犯人から全社員に宛てた一通のメールが届く。
「神田支店は占拠された。宣言する。これストライキだ」
邦和信託の恥部が詰まったデータで
経営陣に揺さぶりをかける占拠犯は、
交渉役として、六年前の金融危機で袂を分かった
かつての同期を指名する――。
――――― 表紙袖より
個人的評価 : ★★★☆☆
あの人たちは、六年、どんな気持ちで毎日過ごしていたんだろう。
「かくもあさましく杜撰な」仕事の結果、
いくつも(連鎖的に)悲劇が起こって、
何人もの人が大切な物・者をなくして。
それでもやっぱり相変わらず「浅ましく杜撰」で。
そんな中でも変わらず必死に仕事をする人、
そんな人のすぐ近くで生活している人、
危機以来変わってしまった人、
色んなものを失って逃げた人。
「前代未聞のスト」というのが正しい手段だったかどうかは別として、
メールやらでの主張は思わず納得してしまう部分もあって。
ただ、占拠犯と会社の交渉の行方だとか
事態がどう終結するのかだとかが気になって読みはするんだけど、
正直なところ、いまいち気持ちが盛り上がっていかなかった。
「面白くない」訳じゃないと思うんだけどな……。