- 五色沼黄緑館藍紫館多重殺人 (講談社ノベルス)/倉阪 鬼一郎
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某県・五色沼のほど近くに
唐草模様で彩られた黄緑館・紫藍館という名の
面妖な洋館が並んで佇んでいる。
深い霧と降りしきる雪の中、館のお披露目パーティーが開催された。
が、招待客はわずか4人。
奇妙なムードの中第一の殺人が!!
被害者は「怪物が…」と死の直前に呟く。
連鎖し起こる不可能殺人!
衝撃の真相が待つ!!
――――― 裏表紙より
個人的評価 : ★★★☆☆
後半ずっと、読みながらクラクラしていた印象が……。
まず探偵役が追い詰められ始めたあたりから。
探偵役の混乱っぷりや焦りに引っ張られて、
おまけに文章の特殊な並びのせいもあってくらっと。
それからいろんな仕掛けが順番に明かされていくわけだけれど、
それを確認するたびにまたクラクラ。
最初からずっといたるところに仕掛けられているもんだから、
その全てを確認するのは早々に諦めてしまって、
ところどころ拾いながらしかしていないんだけど、
それでも「あぁ、本当だ」と。
この感情は何と表すのが一番しっくりくるんだろう。
感心なのか、呆れたのか、何なんだろう……。
あれだけの仕掛けをするのはさぞかし大変だっただろうな。
あまりに不自然な選択になってはまずいだろうし、
かといって平凡なものでもあまり繰り返したんじゃ、
その繰り返し自体がまた不自然だろうし。
残念ながら話自体が特に面白かったという印象はないんだけど、
とにかくその仕掛けたちのおかげでインパクトは相当に。