- 顔のない敵 (カッパ・ノベルス)/石持 浅海
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1993年、夏。
カンボジア、バッタンバン州。
地雷除去NGOのスタッフ・坂田洋は、
同僚のアネット・マクヒューと、対人地雷の除去作業をつづけていた。
突然の爆発音が、カンボジアの荒れ地に轟く。
誰かが、地雷を踏んだのだ!
現地に駆けつけた坂田とアネットは、
頭部を半分吹き飛ばされたチュオン・トックの無惨な死体に、言葉を失った。
チュオンは、なぜ、地雷除去のすんでいない立入禁止区域に踏み入ったのか?
そして、これは、純然たる事故なのか?
坂田の推理が地雷禍に苦しむカンボジアの哀しい「現実」を明らかにする―。
表題作を含め、「対人地雷」をテーマにした、
石持浅海の原点ともいうべきミステリー6編と、
処女作短編で編まれたファン待望の第一短編集。
――――― 「BOOK」データベースより
個人的評価 : ★★★★☆
これまでにアンソロジーなんかで読んだものもあり。
その結末でいいのかな……、と思うものもいくつか。
カンボジアの未来のために、地雷のない世界を作るために、という
言わんとする事は解らなくもないんだけど、
罪を犯した(人を殺めた)人間を野放しにしたり、自殺を唆したりで。
いいのかな、それで……。
そんないくつかの結末の他にも、「解らんでもないけど……」が。
活動するためには資金が必要だというのは解るけど、とか
地雷や世界の状況に無関心な人たちが多いという言い分も解るけど、とか。
普段生活している中でほとんど意識する事のない「対人地雷」、
それで1冊というのは興味深かった。