- 贖罪の1オンス/保科昌彦
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企業の論理か、おのれの正義か?
姿を見せない脅迫犯を追え
極秘の社命を受けた男が見た組織の真実とは――
息を呑む、迫真の傑作サスペンス!
1オンス金貨2000枚を支払え!
拒否すれば、毒針を仕込んだぬいぐるみを全国にばらまく――
老舗おもちゃメーカーに届いた脅迫メール。
2億円に相当する金貨を1週間以内に用意しろというのだ。
お客様相談室の差益は警察の協力を仰ぐよう訴えるが、
会社上層部は秘密裏に犯人への接触をはかるよう指示。
風評被害を恐れ、消費者の安全を考えないのだ。
会社のやり方に憤りながら調査を進める佐伯は、
3年前に起こった自社製品のトラブルに注目した。
あの事故のクレーマーが脅迫犯では?
だが居場所を突き止めた佐伯を待っていたのは驚愕の事実だった……。
企業のあるべき姿を問う衝撃作!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
ピンチを鮮やかに切り抜けるスーパーヒーローでもなく、
自分の信じる道をひたすらに突き進む正義の味方でもない、
佐伯の姿や葛藤が面白かった。
護るべき家族や生活のために納得できない命令でも聞くしかなくて、
でもその家族の顔がその命令に従うことの不実を思い出させる。
あれだけお粗末で残念な人たちが出世できてしまうのが
「旧態依然」と言われるところなのか。
はっきり言って最初から最後までいいとこなしな気が。
脅迫犯の正体だとか、事件の行く末だとか、
色々気になって一気に読んだんだけど、最後はちょっと。
したことの幾つかがなんだか嫌な感じが。
「くさい芝居」のあたりとか。
実際にその芝居をしたことよりも、
その行動をああいう言い方にしてしまったのが嫌な感じ。
詳しく書くとネタバレになるから難しいけど、
あの最後であの人に対するイメージが一転しちゃって。