- ヨリックの饗宴/五條 瑛
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リーダーは“ヨリック”
ハムレットの登場人物になぞらえた人々が
長年にわたって隠し続けてきた日本政府の機密とは何か?
大物政治家や、アメリカを巻き込んだ熾烈な諜報戦が始まった!
「我々は、ヨリックと取引をしたいんです。
しかし、居場所が分からないのでは商談の持ちかけようがないでしょう。
七年前、失踪される直前にお兄さんはヨリックと会っているはずだ。
ヨリックが何者なのか、彼は知っている。
だから探しているんです」 (本文より)
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
確かに総理経験者やらアメリカやらを巻き込んだ諜報戦ではある。
ヨリックに託されたものも、
それをああいう形で隠すことが正しいかどうかはさておいて、
公表されれば大騒ぎ・大問題になるだろうとは思う。
ただ、ヨリックの正体は!?とか諜報戦の結末は!?というよりも
家族・血の話という印象の方が強かった。
和久田と兄、兄と息子、兄と妻・娘、和久田と甥、兄と父。
それぞれの間にあるのは愛情だったり憎しみだったり罪悪感だったり、
その幾つかが交じり合った複雑なものだったり。
最後まで読んで全部が分かった後でも、
やっぱりあの兄を好きだとは思えないけど。
それにしてもあの人が気持ち悪い。
そこまでするものなのか……。
そうまでして一緒にいることの意味も目的も私には理解できなくて。
それもやっぱり愛情の一つの表わし方なんだろうか。
あれだけ人を不幸にする形が正常だとは思わないけど。