- みんなのふこう (文芸)/若竹 七海
- ¥1,365
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「不幸」なのか「幸せ」なのか、それは、アタシが決めること。
一見不幸な17歳フリーター女子の主人公、
ココロちゃんをめぐる、究極の“幸せ探し”ストーリー!
他人の不幸は蜜の味!?
田舎町のラジオ局・葉崎FM、
毎週土曜夜に放送される読者参加型番組「みんなの不幸」は、
リスナーの赤裸々な不幸自慢が評判の人気コーナーに。
そこに届いた一通の投書。
「聞いてください。わたしの友だち、こんなにも不幸なんです……」。
海辺の町・葉崎を舞台に、疫病神がついていると噂されながら、
いつでも前向きな17歳のココロちゃんと、
彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃんがくりひろげる、
楽しくて、苦い、泣き笑い必至な青春物語。
――――― Amazonより
個人的評価 : ★★★☆☆
多少4つに寄る3つ。
サラッと読んだ。
ココロちゃんが見舞われる不幸はとても「サラッと」ではない。
犯罪に手を貸す羽目になっていたり、危うく死に掛けたり。
平凡に生きる人間なら一生経験しないであろうことを
よくもまあこれだけ、というくらいに立て続けに。
「前向き」というよりは鈍感(いくらかは好い意味で)な彼女を
利用しようとする周りの人間たちの悪意にはうんざりもする。
小さな子どもを犯罪の道具に使う、
ということへの嫌悪感に近いのか?
ココロちゃんがあまりに「疑い」なんかと無縁に生きてる上に、
目を離せないような鈍くささの持ち主なので。
描かれる彼女の半生、生活はとんでもないものなんだけど、
全体的に軽めのトーンということもあって
サラッとサラッと読んじゃった。
ココロちゃん、観察対象としては面白いだろうな。
「観察対象」って表現とか「面白い」って表現が
適切かどうかはさておいて。
ただ身近に付き合うのは大変そうだ……。
何せあれだけ次から次にトラブルを巻き起こすんだから。
読みながら善からぬことに巻き込まれるのが想像できるものもあって、
その想像通りの展開にイライラやきもきしたりもする。
ということは、身近にはいてほしくないと思いながらも
彼女を好きになりかけているということなんだろうか、とも少々。