- フレンズ―シックスティーン (ハルキ・ノベルス)/高嶋 哲夫
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まだ雪が残る神戸・ポートアイランドで
銃声と悲鳴が響いた。
その瞬間、十五歳の私の眼の前で、
親友のユキは、すべてを失くしてしまった。
母親を銃で撃たれ、父親と妹を轢き殺されたのだ。
そしてユキは心を閉ざした。
誰もが暴力団の抗争に巻き込まれた不幸な家族と憐れんだ。
でも、私は、そして四人の仲間は、
ユキから言葉と心を奪ったヤツを許せなかった……。
十六歳を迎える高校生が復讐を遂げようとしたものは、
大人たちが避けつづけた闇なのか!?
「サントリーミステリー大賞」で鮮烈なデビューを飾った著者が描く、
書き下ろし長篇ミステリー。
――――― 裏表紙より
個人的評価 : ★★★★☆
3つ寄りの4つ。
つっこみどころはわりとたくさんある気がする。
親友(仲間)のためとは言え、
高校生のグループが敵対するには
危険すぎるのはあまりに明白なのに
行動に移すのが呆気なさ過ぎやしないかとか。
あの人の存在はあまりにも都合が良すぎやしないかとか。
偶然がいくつも重なりすぎていて。
あの彼がどんどん壊れていく様が描かれているものだから
その狂気がもっと暴走するのかと思いきや、
(確かに暴走も描かれてはいるんだけど)
意外とあっさり終わっちゃったな、とか。
でもユキが置かれた状況があまりに理不尽で
その中で心身ともにボロボロに傷つく姿があまりに痛々しくて、
そんな彼女のために何かしなければ、と
4人が悩んだりぶつかったりする姿には惹き込まれた。
(その結果の行動が短絡的過ぎやしないかと思ったんだけど)