- ロミオとロミオは永遠に (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)/恩田 陸
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ハヤカワSFシリーズ Jコレクション
作家デビュー10周年記念作品
20世紀は終わった。W杯も終わった。
さて、これから僕たちはどこへ行くのだろう……
絶望に満ちた学園からの、郷愁と哄笑の大脱走劇!
――――― 帯より
日本人だけが地球に居残り、
膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。
それを指導するエリートへの近道は、
「大東京学園」の卒業総代になることであった。
しかし、過酷な入学試験レースをくぐりぬけた
アキラとシゲルを待ち受けていたのは、
前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、
閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。
やがて、学園からの脱走に命を燃やす
「新宿」クラスと接触したアキラは、
学園のさらなる秘密を目の当たりにする……。
ノスタルジーの作家・恩田陸が、
郷愁と狂騒の20世紀に捧げるオマージュ。
――――― 裏表紙より
個人的評価 : ★★★☆☆
やや4つ寄りの3つ。
アキラやシゲルのキャラクターはわりと好きだった。
新宿クラスの面々も面白そうな気がした。
日本人だけが残された地球で
選ばれた者だけが入学できる学園でのとんでもない生活、
という設定も面白かった。
その生活があまりにも酷くて
想像するとちょっと厭な気分になったりもしたけど。
タダノの歪みっぷりは怖いし気持ち悪いんだけど、
この人が出てくると「次は何をしでかすのか」と
ハラハラした部分もある。
そういうわけで、読んでる間はそれなりに面白い。
けど、全部読み終わった後に
さほど好きだという印象が残らないのは何故だ。
勿体ない、って感じだろうか。
終わり方が違えば、
もっと綺麗にまとめてくれれば、と思ってしまった。
新宿クラスの面々にしてもそうだし
リュウガサキだとかキョウコだとか校長だとかも、
どうも中途半端な感じがしてしまったというか。
夢の国・ディズニーランド、まさかのあんな扱い。
怒られたりしないもんなんだろうか、
なんて余計な心配も少々。