- 主よ、永遠の休息を/誉田 哲也
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ほしいのは特ダネじゃない。真実だ――
未解決猟奇事件の<実録映像>はなぜ出現したのか!?
静かな狂気に呑み込まれていく
若き事件記者の彷徨、そして驚愕の結末!
通信社の東京支社社会部に勤務、
池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎。
コンビニ強盗現場に居合わせて犯人逮捕をスクープし、
店員芳賀桐江と知り合う。
逮捕に協力して立ち去った男から、
暴力団の事務所が襲撃された事件を知らないか、
という奇妙な問い合わせが。
襲撃の有無を調べる過程で吉郎は、
14年前に起きた女児誘拐殺人事件の「犯行現場と思しき実録映像」が
ネット上で配信されていたことを突き止める。
犯人は殺害を自供したが、精神鑑定によって無罪となり……。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
映像に隠された秘密は途中で明かされちゃって、
それによって生じる矛盾の半分も想像通り。
でも、どう展開するのか、どう片がつくのか
気になって一気に読めちゃう。
一気に読んじゃうんだけど、
読み終わった後精神的に少々落ち込む。
暗い気分になる。
まず十四年前の事件が厭な気分になる内容。
現実に起こったとある事件を思わせるのも
多少は関係あるかもしれないけど、
とてもとても不愉快で気分の悪い事件。
おまけに彼女の迎える結末があまりにも哀しい。
間に合って欲しかった。
迎える結末は同じでも、
せめてあの事実を思い出さないままであれば
少し(本当にわずか)はマシだったかも知れないのに。
そうなると彼女の行動も変わるから
同じ結末を迎える理由も変るだろうけど、
いくら何でもあれじゃ辛すぎるだろうに。
チカちゃん、苦手なタイプだと思ってた。
けど、我ながら単純だとも思うけど、
最後のシーンで泣きそうになってしまった。
少々デリカシーに欠けるけどいい子なんだな。