- プラ・バロック/結城 充考
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降り続く雨。
京浜工業地帯のインダストリアルな空気が漂う中、
未曾有の凶悪犯罪事件が静かに幕を開けた!
埋立地の冷凍コンテナから、14体の凍死体が発見された。
整然と並んだ死体は、誰の、どんな意図によるものなのか?
神奈川県警機動捜査隊に所属する女性刑事・クロハは、
虚無感と異様な悪意の漂う事件の、深部に迫っていく……。
圧倒的な構成力と、斬新なアイディアを評価され、
選考委員満場一致で新人賞を受賞した期待の新鋭、
渾身の一撃!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
帯の文句に期待しすぎたのかな…。
どんどん増えていく凍死体、それとは別に連続殺人、
独特の雰囲気。
面白くなりそうな気はしたんだけどな…。
一言で言ってしまうと「残念」になる。
「異様な悪意」だったりで、書かれてることはどす黒いんだけど
硬質な印象を受けたせいか、無色に近い雰囲気。
クロハ・カガなどなど、登場人物をカタカナ表記にしたのも
その硬質な感じを演出するものなんだろうか
(人間味とか人間らしさを薄めるため?)、とは思うけど
慣れるまでしばらくちょっと目が引っかかっちゃうし。
何より知りたい・読みたい情報と
無くてもいいんじゃない(と思ってしまった)情報のバランスが。
クロハの姉が抱えてる事情だとか2人の上司の過去だとか
もっと事件に絡んだりヒントになったり、
でなきゃクロハの言動に強く影響するのかと思いきや。
影響がゼロだとは言わないけど、
これくらいなら別に無くても良かったんじゃない?なんて。
そのわりにクロハ本人のことがあんまり見えてこない…。
射撃の名手だとか音楽が欠かせないとかは知ってるんだけど。
単純に私の読み方が浅い、軽いせいだろうか。
首謀者とか『タカハシ』なんかも微妙にモヤモヤ。
普段以上に攻撃的に書きすぎただろうか。