- 七つの死者の囁き (新潮文庫)/有栖川 有栖
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死者はそこにいる。
生きている私たちの記憶の中に、夢の中に、
そしてすぐ背後に。
私たちを見つめ、語りかけ、時に狙っている。
ひそやかで絶え間ない、死者たちの攻勢―――。
少女の幽霊は窓辺に立ち、死んだ恋人からのメールが届く。
自殺した女の呪詛が響き、亡くなった男は秘密を打ち明け、
死霊の化身が地底から出現する。
恐怖と憂鬱を纏った七つの死者たちの物語。
文庫オリジナル。
――――― 裏表紙より
個人的評価 : ★★★★☆
個人的な好みとはズレてるな、と思ったものも
2編ほどあったんだけど
全体の印象としては概ね満足。
星半個分減らしたのは、その2編の分ってことで。
「呪詛」だとか「死霊の化身」だとか、
もっとおどろおどろしいホラーなのかとも思ってたんだけど
そんな感じではなく。
一番好きだったのは道尾さんの「流れ星のつくり方」。
他の6編と比べるとダントツで一番かな、と思う。
“道尾さん=当たりハズレが大きい”って印象だけど
今回は大当たりの方だった。
最後の少年の言葉には「あぁ…!」って。
『背の眼』も『骸の爪』も、読んでから大分経つし、
このシリーズの新しい短編集もはやく読みたい、
とますます思う。
有栖川さんのも好きだな。
これはミステリとしてとか言うよりも、雰囲気が好き。
窓辺に立つ幽霊と刑事のシーン。