枠バッグをタダで入手できるかもしれない機会があったのであるが、信じてもらえるだろうか。
義姉によるファミリーセールではなく、もちろんエルメス店舗で、である。
「紹介したいものがある」ということでいつものエルメスの個室で見せられたのがブルーボックスから取り出された布袋である。
私は当初、「ミニケリーかな」と思っていたのであるが、どうも担当の反応からはミニケリーではなさそうであり、さらに「ミニケリーってブルーボックスだっけ?」と考え込んでいると、担当が「当てたら本当にすごいですよ」と言い始め、ついにはその場にいた店長が「もし当てたらそのままお持ち帰りいただいていいですよ」と挑戦状を叩きつけてきたのである。
おそらくエルメスの歴史上初めてであろう枠バッグを懸けた 店長 vs OSSAN の真剣勝負の始まりである。
エルメス沼に足を突っ込んで数年が経ち、まだまだエルメス歴としては浅い方ではあろうが、1 年以上エルメスブログを書いており、それなりにエルメスの知識はあると自負している私である。
もし私が勝ったなら、間違いなくエルメスの (黒) 歴史に残る偉業であろう。
そして、私の持つエルメスの知識を総動員して出した答えが、以前に銀座メゾンで見たことのある車輪の付いたボリードであった。
冷静に考えるとボリードは枠バッグではないので正解であるはずがないのであるが、この時の私はタダで枠バッグがもらえるかもしれないという千載一遇のチャンスに冷静さを完全に失っていたのであろう。
100% 間違っていたわけだが、布袋から徐々に姿を現す枠バッグを一緒にご覧いただきたい。
ボリード!ではなくケリー
ん?!星??
布袋から出てきたのは、ケリー・カザック 25cm (ルージュセリエ)であったが、こんなの分かるわけがない
どうやら最初から完全な負け試合であったようだ。
ドとレとミとファとソとラとシの音がでないクラリネットで演奏するのと同じぐらい無理ゲーであった。
さて、このケリーのポイントは 12 個ある 2024 の新色であるローズダーリンの★であろう。
この★はもちろん革であるが、張り付けてあるのではなく埋め込まれているのである。
そのため、この★の付近を触っても段差を感じることはない。
職人がひとつひとつ手作業ではめ込んでいるとのことであるが、私なら途中で気がくるってしまいそうになるに違いない。
ちなみに、このケリーは 2024AW のものらしいのだが、本当に 2024AW のこんなに早い時期に入荷するとは店長も思っていなかったようである。
私個人としてはあまり柄モノは好きではないのであるが、この手の枠バッグは持っておらず、またパートナーがピンクの★に目を輝かせていたので、購入することにした次第である。
なお、キン肉マンに出てくるテリーマンが同じような星模様のパンツをはいてたような気がするので、こっそりとこのケリーを「テリーケリー」と名付けたいと思う。
響きはカッコイイが、テリーマンのパンツが由来なのでエルメスに怒られるかもしれない。