ワクワクして寝付けなかった。
小学 6 年生の修学旅行の前日の夜のことである。
ドキドキして寝付けなかった。
自分が出場するわけでもない中学 1 年生の部活の大会の前日の夜のことである。
ただただ寝付けなかった。
麻布台ヒルズのエルメスのオープン前日の夜のことである。
実は抽選に当選していたのである。
しかも、オープン当日の 11:00-12:00の時間帯であり、「明日は朝早いし早く寝ないと」と思っていたら、子供の頃と同じように全然寝られなかった次第である。
くじ運が皆無の私が当選、しかも一番最初の時間帯に当たるとはとても信じられず、作為を感じていたのであるが、エルメスの店員の話ではガチ抽選であったようである。
なお、実はパートナーがどうしても仕事を (ズル) 休みすることができず、今回は義姉と一緒であった。
麻布台ヒルズのエルメスを正面から見ると左右それぞれに入り口があるが、向かって右側の入り口から整理番号順での入店であった。
入店するとすぐに店員が付いてくれた。
麻布台ヒルズ店オープン記念の品があるわけではないとのことであったが、「ジュエリーが通常よりも豊富にあります」ということだったので早速ジュエリーコーナーに向かった。
ジュエリーコーナーの手前に 8000 万越えのダイヤまみれの H ウォッチが陳列されていたが、ダイヤがまぶしすぎて時計の針が全く見えなかったが、もしかすると針もダイヤだったのかもしれない。
ジュエリーコーナーでは、シルバーもゴールドも本当に豊富に取り揃えてあり、シェーヌダンクルのブレスレットをサイズ違い、コマ数違いで複数同時に見たのは初めてであった。
また、イエローゴールドのシェーヌダンクルブレスレットが 1 点だけあって、購入しようかと一瞬思ったのであるが、さすがにチャラ男が過ぎる気がしたのと、そもそも値段が 450 万越えであったので残念ながら見送ることにした。
結局、自分用に TGM とパートナー用に PM を 1 本ずつ購入したが、他にもシェーヌダンクルのネックレスもあって本当にジュエリー系は豊富であった。
なお、シェーヌダンクルブレスレットは一人 1 本しか購入できないため、パートナーの分はいったん義姉に購入してもらったが、退店後に義姉から受け取るのを忘れてしまい、パートナーのシェーヌダンクルブレスレットは義姉の家にある。
そして、そこで見つけたのが新型のケリーウォッチである。
残念ながらゴールドはそもそも日本に入荷がないということだったが、ステンレススチールがありブレスレット部分がダイヤのバージョンを購入した。
店頭で実物を見たのは初めてであったが、実用的かどうかは置いておいて、やはり一目でエルメスと認識できるデザインは素晴らしい。
ちなみに、値段は 2/1 前と比べると 30 万も上がっていた。
いつものエルメスではいつも 2, 3 時間滞在しているのであるが、今回は 1 時間しかないためペース配分がわからず、1 時間のほとんどをジュエリーコーナーで過ごしてしまい、あまり他のコーナーを見ておらず、また周りを気にする余裕もなかった。
2 階に行く時間もなかったが、店員からは「商品のほとんどは 1 階にあるので、2 階はまた次回の来店時に見てください」とのことであった。
なお、来週以降の入店は「整理券方式になりそう」とのことであったが、どうなるのであろうか。
そうこうしているとあっという間に 1 時間が経ち、エルメスを後にした。
バッグの有無は聞いておらず、そもそもバッグがあっても買うつもりはなかったが、ケリーウォッチを購入する機会に恵まれたのは本当によかった。一番最初の入店でなかったらきっと売れてしまっていたにちがいない。
エルメスからの帰り道、仕事から帰って来たパートナーがオレンジボックスのリボンを紐解いて、このケリーウォッチを見て喜ぶ姿を私は想像していた。
そして、その時に言う言葉はもう決めてあった。
ボンジュール、ケリーウォッチ。
しかし、寝不足のせいなのか帰宅した途端に熱がでてしまい、そのままベッドで寝てしまって、帰宅したパートナーにカッコつけて「ボンジュール、ケリーウォッチ。」と言うことができなかったのである。