桃、食うか?
〜突然現れたお坊様に尋ねられました〜
奈良にある古刹の石畳を真夏の日差しの中、妻とヒーハー言いながら歩いていた時のことです。
15mくらい前方の上空3m地点に、笠をつけた修行僧(高名な偉いお坊さんですが・・・)が立っていました。
申し訳ないけど無視しようかなあ・・・と考えていたら「おいっ!」と呼び止められました。
要件は「桃を食うか?」なのですが、選択肢の一つとして聞いてくれているのでしょうが、
わたしは怒られるのが怖くて「はいっ」と答えました。
次の瞬間、僧の手のひらにあった「桃」は私の胸の中に沈んでいきました。
事は、それで終了しました。
何の目的で、それを何に使うのかなんて一切説明なしです。
なぜなら、手から桃が離れた瞬間、僧は消えたからです。
数年後うちの娘(お嬢)が、信貴山空鉢堂に昇っていた時に、こちらの偉い御坊様が再び現れて「桃を食うか?」と尋ねられたそうです。
しかし、若い人は怖いもの知らずというか、なんというか・・・そう聞かれて「ちょっと考えさせてください」と答えたというのですから驚きです
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