住み慣れた地域に児童発達支援施設を立ち上げるべく、ママは全力で走り続けてきました。

 

障害のある子供達が生まれてから、絶対に必要なのに不足している施設を自分の経験を活かして障害者の家族のために作りたい。
 

我が子の障害を告知されたばかりで暗闇の中にいるかもしれないご家族を支えて、一緒に子育てをしていきたい。

 
そんな気持ちで、自分のプライベートな時間は全て捧げて勉強や通学・準備活動をしてきました。

 
事業実績のないNPOが障害者施設を立ち上げるための基準を満たした物件を賃借することは容易ではなく、何度も何度も何度も挫折。

 
候補物件を見つけた後でなければ東京都に施設立ち上げのための事前相談ができないため、仲間と一緒に必死で探し続け、

 
ご縁があって良い業者さんに巡りあうことができ、やっと候補物件を見つけたのはつい先日のこと。

 
消防と区役所に必要な確認を取り、東京都に事前相談を申し込み書類をお送りした後に言われた言葉は、、、

 
「障害児の親が立ち上げた障害児施設に自分の子供を通わせることは認められないことを、もちろんご理解頂いていますよね?」
 

というものでした。

 
「いいえ、、、全く理解していません。初耳です」

 
ママは児童発達支援事業に関連する法律・通達・ガイドラインには全て目を通して理解していましたが、どこにもそのような記載はなく、また事業者説明会でもそのような説明はなかったため、そのような規定がどこに記載してあるのかをお聞きしたところ

 
「子どもの療育に親が参加してはいけないことは当たり前すぎるので、敢えて記載はしていない」 とのこと・・・・・
 

言われるまでは、分かるわけがない、、、


障害児の療育施設を親たちがお金も知恵も必死で絞りだして作り上げ、子供たちを通わせることは良く聞く話しであり、そのような事業所はいくつもあることをお伝えすると、
 

「他県では認めているかもしれないが、東京都では公平性の観点から認めていないとのこと」
 

公平性って、、、何に対する公平性なのでしょうか。。。

 
なぜ、東京都だけで扱いが違うのでしょうか。。。

 
自分の住む地域に通える療育施設がなく、作ってもらえる予定もないのであれば自分達で作りたいと思う気持ちは当たり前のことではないのでしょうか。

 
ママの住む地域にある区営の療育センターでは

 
PTは首がすわったあと
OTは独歩ができるようになってから
STはお話ができるようになってから
 

と決められているため、りんと同様に訓練を受けさせる必要があるにも関わらず、受けられない子供たちが沢山います。
 

生後3か月まで入院していたりんが退院した時、それまで抱えていた黒い気持ちを何とか封印して、我が子のために頑張って療育に励もうと
 

ありったけの勇気を振り絞って区営の療育センターに申込に行ったママは、

 
「この状況では療育が出来ないので、首がすわってから改めて来てください」と言われ、、、


打ちのめされ目の前が真っ暗になりました。

 
「私は行政からも助けてもらえない子供を産んでしまったのか。 やっぱり、こんな子いらない。 このまま一緒に死んでしまおう。」
 

そんなことを考えながら何度も何度も車や踏切に飛び込もうとしては、パパの顔を思い出して何とか思いとどまり、、、、
 

そんなことを何時間も繰り返して放心状態で家に帰ってきた時の気持ちを思い出すと、今でも涙が溢れます。
 

同じ気持ちで今、泣いているご家族がいるのかと思うといてもたってもいられない。

 
ママが作りたいと願って準備をしてきた施設は、肢体不自由児に対して早期に専門家による療育開始を実現するために、障害児保育の経験のある保育士さん、PT・OT・STの先生の方々にプログラムや必要な備品を考えて頂き、一緒に働いて頂く予定になっていました。

 
そして区内に家族通園が可能な施設がなく地域のお友達が出来ずに苦しみ続けてきたママや仲間達と同じ境遇にあるご家族を、いち早く支援するために家族通園を可能にして、子供たちだけではなくお父さん、お母さん達にもお友達を作ってあげたいと考えていました。
 

皆の知識や経験を生かして、ご家族と一緒に色々な勉強会をしたいと考えていました。

 
お話ができるようになるまでに時間がかかる子供たちと、コミュニケーションを取れるようにマカトンを施設内で全員で使いたいと考え、ママは社会福祉士の勉強の合間を縫ってマカトン講習を受ける為に片道1時間半近くかけて講座に通っていました。
 
でも、、、

 
ママが管理者として事業所の管理運営を行うことによって、りんだけが施設に通えなくなるのだそうです。
 
 
専門家の皆さんにより良い環境で療育に専念して頂くために、ご意見・ご要望を取り入れた施設にするつもりでした。

 
ママは、、、療育を行うのではなく療育の場を提供しようとしただけなのです。
 

どうしてもどうしても諦められず

 
管理者はそもそも療育に参加することは前提となっておらず、ママが我が子に直接療育を行うことはあり得ないこと

 
何よりも障害児が障害や年齢に適した支援を提供される権利は国際条約で確保されているので、その権利を奪うことは我が子だけが差別を受けることになるのではないか
 

と必死で食い下がりましたが、ママが管理者となり、その施設でりんに療育を受けさせることは認めて頂けませんでした。。
 

我が子の為だけに作る施設ではありませんが、我が子だけが通えない施設を作ることはママには出来ません。。。

 
沢山の方々の支援を頂き全力で頑張ってきましたが、もうどんなにママが頑張ってもどうにもならない

 
このまま諦めざるを得ないのでしょうか。。。