どんなかんじかなぁ

中山千夏 ぶん     和田誠 え

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今日は大人にも、オススメしたい本を紹介します。

小学校三年生の国語の教科書にも載っている、

『どんなかんじかなぁ』という本です。


娘の小学校へ、絵本の読み聞かせボランティアで年に一回来てくれる『おはなしくれよん』さんが読んでくださった本です。



「ひろくん」という男の子が、目の見えないお友達の見えないって、どんな感じかなぁと知りたくて、しばらく目を閉じてみます。

すると、ひろくんは、いつもの何倍も音が聞こえるように感じるのです。

耳の聞こえないお友達の、聞こえないってどんな感じかなぁとしばらく耳栓をしてみると、、

いつもの何倍も、見えなかったものに集中して、お母さんの顔のホクロが何個あったか生まれて初めて知るのです。

ひろくんは、こう言います。

『みえないって、すごいんだね。
あんなにたくさん きこえるんだものね。
みえるって そんだね。
ちょっとしか きこえていないんだものね。』



『 きこえないって、すごいんだね。
あんなにたくさん みえるんだものね。
きこえるって そんだね。
ちょっとしか みえていないんだものね。』


そして、最後に出てくるお友達のきみちゃんにはお父さんとお母さんがいません。

阪神淡路大震災でお父さんもお母さんを亡くしたからです。

ひろくんは、お父さんとお母さんがいないってどんなかんじなのか考えます。

でも、お父さんとお母さんをなくすことは出来ません。

そこで、お友達のキミちゃんが来た時に聞いてみます。

「きっと、すごおく さびしいんだろうね」

すると、きみちゃんはちょっと考えてから、

「そうでもないよ」

と言うのです。

そして、きみちゃんは次の日曜訪ねてきて言うのです。

「わたし、一日じいっと動かないでいてみたの」
「どんなかんじかなぁ、とおもって」
と。

『うごけないって、すごいんだね。
じっとして そらをみていたら、
いつもの100倍くらい
いろんなことを かんがえたよ。
わかったことも たくさんあったよ。

だから、
ひろくんは、がくしゃみたいなんだね。』

ひろくんは 思います。

『そうかもね。うごけないって、
すごいことなのかもしれないね。

ぼくって、すごいのかもしれないね。』


そして 

『ぼくは まいにち いろんなことをかんがえる。
うちゅうのことや、うごけるって、どんなかんじかなぁ。 とかね。』

目をつむりながら、考えているひろくんの姿。




最後まで、『ひろくん』はごくごく普通の男の子だと思いませんでしたか?

でも、実はひろくんは体が自由には動けない男の子なのです。


この本、私はまだまだ読むのに涙ぐんでしまうのですが、子供たちにこれからもずっと読みたい本です。

そして、何より、読んでいる大人の私が考えさせられた本なのです。


何よりも、相手の立場に立ってみることの大切さ。

それを読むたび、新鮮に感じ、思い出せるのです✨

とてもオススメの本です。

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