食中毒が増え始める季節。例年、O157などの「腸管出血性大腸菌」による食中毒が多く発生しますが、今年はその他の細菌についてもニュースなどで注目されています。食中毒を防ぐポイントと、腸管出血性大腸菌についてまとめました。
●細菌、ウイルス等が原因
 食中毒は一年中発生し、原因には、細菌、ウイルス、自然毒などがあります。細菌の代表格がサルモネラやO157ですが、O26やO111なども食中毒を引き起こします。
 これらの細菌は高温多湿を好み、梅雨の時期から夏、さらに秋にかけて活発し増殖します。全食中毒の、実に9割が細菌性の食中毒と言われています。
 ノロウイルスなど、ウイルスによる食中毒が発生しやすくなるのは、気温が低く、空気が乾燥する冬です。
 自然毒とは、キノコや野草、フグなど、自然に含まれている有害物質を指します。
●包丁・まな板は用途別に
 食中毒の原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。この3原則をもとにした注意点を確認します。
 ①食品購入時
 ●肉汁や魚などの水分を伴う食品は、もれないよう、ビニール袋などに分けて包み、持ち帰る。
 ●冷蔵や冷凍が必要な食品の購入は買い物の最後にし、購入後は早めに帰宅する。
 ②家庭で保存する時
 ●冷蔵や冷凍の必要な食品は、帰宅後、すぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れる。
 ●肉や魚などはビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などが掛からないようにする。
 ●肉、魚、卵などを取扱う時は、前後に必ず手を洗う。
 ③下準備をする時
 ●保存時と同様、生の肉、魚、卵を取り扱った後は手を洗う。途中でトイレに行く、鼻をかむ、ペットに触るなどした場合は、その後必ず手を洗う。
 ●生の肉や魚を切った後、野菜など生で食べる食品を切る時は、包丁やまな板をそのまま使わず、洗って熱湯を掛けてから使う。包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて使うと、さらに安全。
 ●冷凍食品などを室温で解凍しない。解凍は冷蔵庫や電子レンジで。
 ●包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに、洗剤と流水でよく洗う。ふきんが汚れた時は、交換するか、漂白剤に一晩つけ込む。
 包丁、食器、まな板などは、洗った後に熱湯を掛けると消毒効果がある。たわしやスポンジは、煮沸すれば効果が高まる。

つづく・・・