発達障害のある子に、電子機器を活用した学習支援が試みられています。電子機器の活用が、どのような効果を生むのか、『発達障害の子どもの「ユニークさ」を伸ばすテクノロジー』(中央法規出版)の著者であり、東京大学・先端科学技術研究センターの中邑賢龍(なかむらけんりゅう)教授に聞きました。
「外部知能」と呼べる存在
 ――発達障害のある子にとって、電子機器の活用はどのようなメリットがあるのでしょうか。
 知り合いに20代後半の知的障害のある女性がいます。この女性は字を書くのが苦手で、対面でのコミュニケーションも相手の話し方が速いと、よく聞き取れません。
 しかし、携帯電話のメールでのコミュニケーションはとても上手です。対面では難しくてもメールであれば、友達の言いたいこともよく分かるし、自分のペースでメッセージを書いて、送れるからです。
 文字を書くことが苦手でも、文字の変換機能があれば、適切な漢字を選ぶことができ、文章を作れます。
 ――携帯電話でコミュニケーションが楽になっているのですね。
 携帯電話には、メール機能のほかに、便利な機能がたくさん付いています。カメラ、タイマー、スケジュール帳、メモ、計算機、辞書、音声レコーダーなど。書き取るのが難しければ、カメラで撮影して記録し、相手の話がよく聞き取れなければ、音声レコーダーで記録しておけます。
 また、計算機を使えば、計算が苦手でも買い物がスムーズにできる。困ったことがあれば、親ともすぐに連絡が取れます。
 携帯電話は障害のある子にとって、「外部知能」とも呼べるほどの存在になっていると感じます。
つづく・・・