これからの季節は、卒業・入学や勤め先での歓送迎会、さらには花見など、飲酒が避け難い集まりが増えてきます。そこで注意したいのは、急性アルコール中毒です。救急搬送されるような事故を起こさないために、事前の対策や万一の対処法などを確認しておきましょう。
年末に次いで多い4月
 急性アルコール中毒は、言うまでもなく、過度で急激な飲酒や、いわゆる〝一気飲み〟によって起こります。
 東京消防庁の集計(平成19年)によると、急性アルコール中毒で搬送される人の数が最も多い月は、年末の12月ですが、次いで多いのが4月となっています。
 特に20代の若者が圧倒的に多く、中には未成年者が少なからずいるのも事実です。
 酒酔いは、顔が赤くなったり陽気になったりする「ほろ酔い期」、足元がおぼつかなくなる「酩酊(めいてい)期」、記憶が失われる「泥酔期」、血圧や呼吸が低下する「昏睡期」という順で危険度を増していくといわれています。しかし、飲む量やペースによっては、気付いた時には、すでに危険な状態だったということもあります。
病院で処置できることも
 そうなる前に、飲むのを控えたり休んだりといった対処をしたいものです。
 東京消防庁ではホームページで、以下のような注意を訴えています。
・ 自分の適量を知る
・ 短時間で大量に飲まない
・ 飲めない人は周囲に知らせておく
・ 無理強いはしない
・ 空腹で飲まない
・ 酔っぱらった人には誰か付き添う
 また、呼び掛けても返事がないなど危険を感じた場合は、迷わず救急車を呼びましょう。
 輸液、胃洗浄や血液透析など、病院での処置で命を救えることがあるからです。
中高生の実態が明らかに
 ところで、国立保健医療科学院が全国の中学・高校生を対象に行った調査(2004年)によると、本来、酒を飲んではいけない未成年者ですが、実際に「飲まない」と答えたのは、中学生では約3分の2、高校生では44%しかいませんでした。
 つまり、高校卒業までに、半数以上の生徒は飲酒を経験していることになります。また、学年が上がるごとに、飲酒経験者の割合も上昇することが分かっています。
 頻度については、高校3年生の場合、週1回以上飲むと答えた生徒の割合は、男子で12.5%(8人に1人)、女子では7.6%(約13人に1人)もいました。
 中には毎日飲むという生徒もいたそうです(男子1.1%、女子0.6%)
 現代の中高生の間では、飲酒という行為が、必ずしも珍しくないという実態が明らかにされました。
毎年、特に大学生で多発
 中高生が飲む酒で最も多いのは、アルコール度数が比較的低く、甘い味の酒だといいます。
 飲酒の機会や場所については、実は冠婚葬祭など家族と一緒の時が、意外と多いようです。そのほか、クラス会や打ち上げ、カラオケボックス、友達の部屋なども、学年が上がるにつれて多くなっていきます。
 これから新入生や新社会人としての出発を控えている人たちにとって、そうした新たな人間関係の中で、先輩や仲間たちに歓迎してもらうことは、本当にうれしいものです。
 しかし、特に大学生を中心に、飲酒による事故が後を絶たず、残念ながら命を落としてしまう若者が毎年出てしまうのも事実です。
 飲酒はもちろん成人してからですが、たとえ成人で、それなりに経験がある人であっても、ちょっとした油断から取り返しの付かない事故に巻き込まれてしまうことがあります。
 周囲に酒を無理強いするような行為は、絶対にしてはいけません。
 悲しい事故を起こさないよう、楽しい雰囲気の中にも節度ある飲み方を心掛けましょう。