風邪やインフルエンザなどが流行する冬。これらから身を守るために、せきエチケットや手洗い等の励行、また体力・抵抗力を弱めない健康管理の工夫が大切です。今回は、医学博士の宮沢裕・内科医の監修で、感染症を防ぐのに効果的な日常生活の留意点をまとめました。
かかわらない・うつさない
 人の「せき」や「くしゃみ」には、目には見えませんが、たくさんの病原体が含まれています。
 風邪やインフルエンザなどが感染する主な経路は、せきなどで感染者が飛び散らしたウイルスによる「飛沫感染」と、人の手を介した「接触感染」です。
 自分が病気にかからない、そして他人にうつさないために、一人一人がマスクを着用するなどの「せきエチケット」を心がけていきましょう。
 特に風邪などをひいてしまったらもちろんのこと、せきや、くしゃみが出てきたら、周りの人への配慮のために、積極的にマスクをすることが大切です。
 せきエチケットは、厚生労働省が一昨年から、インフルエンザの感染拡大を防ぐために提唱しているもので、各市町村の保健所がポスターを掲示するなど、普及に取り組んでいます。
 その具体的な内容は次の通りです。
 ◎せき・くしゃみが出たら他人にうつさないためにマスクを着用する。
 ◎マスクを持っていない場合は、ティッシュなどで口と鼻を覆い、他人から顔を背けて1メートル以上離れる。
 ◎たんや鼻汁などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てる。
 ◎せきをしている人にマスクの着用をお願いする。
 同省でも、マスクは市販されている不織布製マスク(サージカル・マスク)の使用を推奨しています。説明書を読み、正しく装着することが効果的です。
 電車の中やデパート、病院など、人が集まる場所ではマスクの着用を心がけましょう。また、「1日1枚」を目安にマスクを交換するのが清潔です。
流水でよく洗い流す
 外出後、帰宅してからの手洗い、うがいも、一般的な感染症の予防のためには効果があるといわれています。
 特に手洗いは、日常的に、入念に行うのが望ましいでしょう。
 手指の衛生は、接触感染を防ぐ大切なポイントです。ドアのノブなど、身の回りにある不特定多数の人が触れるものには、いろいろな殺菌が付着しています。ウイルスに触れたままの手で自分の口や鼻、目などに触れないようにしたいものです。
 手洗いの際、留意すると良い点は次の通りです。
 ◎指輪や腕時計は外す。服の袖口をぬらさないよう、まくっておく。
 ◎流水で手指をぬらし、せっけんを手に取る。
 ◎手のひらや甲だけでなく、不十分になりがちな指先、つめの間、親指、手首も、丁寧に30秒以上は洗う。
 ◎流水でよくすすいで洗い流す。
 ◎清潔なタオル、ペーパーでふき取る。
 また、うがいは▲ブクブクと強めに口内をよくすすぎ、口に含ませた水等を捨てる▲上を向いてガラガラと10~15病程度、うがいをする▲〝ガラガラうがい〟を2、3回繰り返す――ようにするといいでしょう。

つづく・・・