「駄目」の代わりに「約束」
横浜市西区 金子 孝枝(主婦 34歳)
 4歳の長女と1歳の長男の育児に奮闘中です。活発な長女には、ついつい口うるさく、「あれ駄目、これ駄目」としかってしまいます。ある時、「お母さんは〝駄目〟って言ってばっかり」と言われ、はっとしました。
 そこで注意することの多い項目を、「三つのお約束」として、娘と確認し合うことにしました。「テレビは離れて見ること」「食事中は真っすぐ座って食べること」「トイレに行きたくなったら、早めに教えること」の三つです。
 それまでは、テレビを近くで見ていると、「離れなさい」や「駄目でしょう」と言っていましたが、最近では「お約束はなあに?」と問い掛けると、「そうだ、離れて見るお約束だ」と自分から離れるように。
 そこで「偉いね、お約束を守れたね」と褒めます。私自身も感情的にならなくなり、娘も約束を守れたことが自信となっています。
 約束の内容は、外出する時など、その場に応じて具体的に変えるようにしています。前向きな言葉掛けが、前向きな心を育てるとの思いで、子どもと共に成長したいと思います。
しかるのは一人の時に
奈良県高取町 古川 静代 (主婦 59歳)
 私が子育ての中で気を付けたことの一つは、決して他人のいる前でしからないということです。
 子どもの長所を認め、褒めて育てていくことが大切と分かっていても、ついしかってしまうことがあります。また、時にはしかることが必要な場合もあります。でも、しかるのは一人の時に、感情的にならず、子どもの目を見て、言い分けも聞いてあげ、諭してきました。
 「しかられる」のは、それだけで嫌なものです。まして人のいる前ではなおさらです。私自身小さいころや大人になってからも、人の前で、時には大勢の前で、しかられたことが何度かありました。
 〝なぜ一人の時にしかってくれないのだろう〟。そう思い、情けない気持ちでいっぱいでした。そんな経験から、わが子には気を付けてきました。その半面、頑張ったことは、どんな小さなことでも、大きく褒めてあげました。褒められ認められれば、うれしいし、やる気もわいてきます。
 「しかるのは一人の時に、褒めるのはみんなの前で」。こうした配慮も大切なのではないでしょうか。
短所直すより長所伸ばす
東京都葛飾区 大久保 道子(主婦 40歳)
 長女(小5)、長男(小3)、次男(幼稚園年長)と、3人の子宝がいます。長女に対しては、同性ということもあり、「母親である私自身の嫌な面と似ている短所」がどうしても目に付き、きつくしかってしまう傾向にありました。
 感情的にしかっても、子どもの心には入っていかず、理詰めで「説得」しようとすると、子どもは「納得」しないことを痛感していました。
 そんな時、教育部の先生に、「短所を直すのは、大人でも大変ですよね。それよりも、子どもの長所を褒めて伸ばしてあげると、短所が目立たなくなりますよ」とアドバイスをしていただき、目が覚める思いでした。
 小学校入学当初は、翌日の学校の準備も朝にならないとできなかった長女でしたが、今では親が何も言わなくても準備OKです。弟の面倒もよく見てくれる、「頼りになるお姉さん」です。
 長女は、「数学検定6級(小学6年修了程度)」にも挑戦。合格を勝ち取りました。「好きなことに集中して取り組む」姿勢を褒め、短所はさりげなくアドバイスをしながら、子どもが伸び伸びと育つように心掛けています。

おわり