仕事であれ、学業であれ 目標や夢を明確にしよう
多忙なビジネスマンや受験を控えた学生など、集中力を高めて能率を上げたい、と願う人は少なくないだろう。どうすれば、集中力は高まるのだろうか。仕事のとらえ方は、どんなふうに影響するのか――具体的なリラックス法にも触れつつ、東京メンタルヘルス・アカデミー認定カウンセラーの斉藤雅弘氏に語ってもらった。
基本は、「脳」「心」「身体」を健やかに保つこと
――仕事であれ学業であれ、集中力を思うように維持できない、という人は少なくないようです。
集中力とは、簡単に言えば、注意力を分散させず、ただ一点に向けること。それには、「脳」「心」「身体」の三つを健やかに保必要がある、と考えられます。それらのバランスが崩れると、集中力も途切れやすくなります。〝三位一体(さんみいったい)〟をうまく保つことが、基本なのです。
とくに、ストレス過多の現代社会では、脳・心・身体のいずれも、疲労がたまりやすい。日々、リフレッシュすることが求められましょう。
脳であれば、その疲れをとり、活性化させることが大切です。寝不足は、大脳(高度な精神活動を司(つかさど)る部分)の働きを鈍化させますので、十分に睡眠をとることで、しっかり休ませたい。
最近は、昼夜の逆転した生活を送る人も少なくないようです。仕事の性格上、やむを得ない場合もありますが、夜昼逆転は睡眠障害に結びつきやすく、集中力が弱まる要因となります。
――仕事の期日や受験日が迫ってくると、あせってしまい、集中することができなくなります。
それは、多くの人が経験することです。簡単なリラックス法を実践してみては、いかがでしょぅか。
例えば、イスに深く腰掛け、うっすら、ゆっくり息を吐き出します。その後、今度は鼻から息を大きく吸う。これを5回繰り返してください。2、3分程度で、身体や脳の緊張を解きほぐすことができます。
もちろん、立ったままでも構いません。休憩時に行うのもよいでしょう。
――少しでも身体を動かす方がいいのでしょうか。
そう思います。せっかく休憩をとっても、緊張をうまくほぐせず、休憩にならない場合も多いです。身体の力、肩の力が抜けるようにするべきでしょう。
時間のとれる状況であれば、駅から学校まで歩きながら深呼吸を繰り返すとか、夜、家で風呂に入る折、明かりを消して、ぬるめの湯に静かにつかるとか、そうやって緊張を和らげるようにしたい。
――そもそも、集中力はそれほど長くは維持しにくいと思われます。
ええ。基本的には、20分程度と言われています。ところが、興味や関心の高いことであれば、1時間、あるいはそれ以上、集中力を維持させることができる。
その意味では、それを楽しめるか、好きになれるかどうかが重要です。
「~するべきだ」「~しなければならない」との「べき思考」では、すぐに疲れてしまいます。「~したい」という気持ちが高まるような工夫をしましょう。
つづく・・・