介護カウンセラー 羽成幸子
どんなにお金や地位があっても、どんな生き方をしてきても、多くの人が人生の最期は、〝下の世話〟になります。病院で2日間という人もいれば、寝たきりで何年間という人もいるでしょう。
いずれにしても、私たちは必ず、誰かの世話になって死を迎えるのです。そして多くの場合、世話をしてくれる人を選ぶことはできません。介護のプロといっても〝ピン〟から〝キリ〟までいます。
さらには相性という問題もあり、時には大嫌いなタイプの人の世話になることもあるでしょう。
これは介護する側にも同じことがいえます。
〝あの利用者さんの家に行くと思っただけで、頭が痛くなるわ〟と思っているヘルパーさんもいるはずです。
そこで大事になるのが〝介護される側のマナー〟です。介護サービスを受ける際も、〝お金を払っているのだから当然〟という態度ではなく、気持ちの良いサービスを受けたら「ありがとう」の一言を。
介護する側も、〝お金をもらっているから、嫌なことをされても我慢しよう〟というのではなく、はっきりと自分の尊厳を守りましょう。
サービスを受ける側と提供する側が、同じ人間として向き合わなかったら介護の質は上がりません。
気持ちの良い介護を受けたいと思ったら、お互いがしっかり向き合い、理解を深めるためにコミュニケーションを積み重ねていくしかないのです。
〝お金を払ったのだから、自分のことを分かってくれているはず〟と考えるのは大きな間違い。向き合った時がお互いのスタートです。
介護される人は、相手に自分のことを分かってもらう努力が必要です。そして、どんな人の世話になっても、たとえ少し嫌や思いをしても、ニコニコと笑って「ありがとう」と言える、心のしなやかさと強さを持つことです。
さあ、今からでも遅くありません。〝介護され上手〟を目指しましょう。