漆原 智良(児童文学作家)
★絵本の登場人物もお友達
赤ちゃんも生後3カ月を過ぎると、辺りをきょろきょろと見回したり、指を動かしたりするようになります。
それまでは、ガラガラ、オルゴールメリー、モビールなど、音が出たり、動いたりする玩具を喜んでいましたが、やがて「静止した画面」などにも興味を示すようになってきます。その時期こそ〝読書ランド〟への入り口・・・。
そのころ、赤ちゃんが「人の顔を見て笑い出す」ように、絵本の「人物や動物の画面を見ても笑う」ようになります。赤ちゃんにとっては、父母も、保育者も、絵本の人物や動物も、すべてがお友達なのです。
絵本に向かって、手を差し出し「絵本の人物や動物」をつかもうとします。それは、自分を取り巻くものすべてを呼び込もうとする意思の表れなのです。絵本によって多くの仲間と出合い、生活の視野をごく自然な形で広げているのです。
「0歳児から絵本を・・・」は、子育ての大事な要素の一つです。先日も、生後8カ月のお子さんを持つSさんからお便りを頂きました。
「・・・出産前、0歳で絵本を与えるのは早い、と思っていましたが、生後2カ月目から本を与えています。3日に生まれたので、毎月3日は本を買ったり、借りたりする日にしています。最近で
は『あかちゃんのためのえほん』(いもとようこ作絵)の動物の頭をなでたり、つかもうとしています(略)」
こんな実践に感動しました。Sさんは「子が成長するとともに絵本と、どのようにかかわっていくか」、その行為をしっかりと見つめ、それにふさわしい読書環境づくりを工夫していたのです。
★本は手の届くところに
満1歳を過ぎるころから、自分の気に入った本があると、朝から何度も同じものを持ち出してくるようになります。そこで本は子どもの手の届くところに並べて置くようにしましょう。本をめくる速度も遅くなるはずです。
それだけゆっくりと、1ページずつ確かめるように、画面に食い入っていくのです。
初めて出合う本としてふさわしいのを挙げてみましょう。
◎ことばが単調なもの(例・ねこ、いす、りんご=身近にある単語の本)。
◎絵の形がはっきりしているもの。
◎原色で輪郭がはっきりしているもの。
◎紙質の厚いもの(幼児は本を破くことがある)。
本の表紙のビニールカバーは、取り外しておきましょう(まだ指の皮膚が柔らかいので、痛めてしまう恐れがあります)。