兵庫教育大学の梶田叡一学長に聞く

 新学習指導要領が告示され、小学校では2011年(平成23年)度から全国で実施されます。改定作業に中心的に携わってきた梶田叡一さん(兵庫教育大学学長・中央教育審議会副会長)に、改定内容のポイントを聞きました。
「ゆとり教育」を見直す
 ――これまでの学習指導要領の特徴を簡単に教えてください。
 「生きる力」の育成と「ゆとり」の確保を目指し、2002年(平成14)度から実施されたものです。週5日制を導入する中で、授業時間の大幅な削減と教育内容の厳選が図られました。
 「総合的な学習の時間」を導入し、座学中心になりがちだった教育内容に、体験学習を取り入れるようになった面も、大きな話題になりましたね。これらは、「ゆとり教育」とも呼ばれてきました。
 ――「ゆとり教育」が生まれた背景には何があったのですか。
 1970年代から、学習内容の過密さ、詰め込み教育が、子どもの心を不安定にさせ、非行化につながっているとの指摘がありました。その問題解決のため、ゆとりを増やし、空いた時間を学校内外での多様な活動に充てたり、家族や地域とのつながりを強化させたりする機会にしようとしたわけです。
 ――「ゆとり教育」には、さまざまな意見がありますね。
 残念ながら結果としては、教育現場に真のゆとりを生むことができませんでした。
 そして、子どもの学力低下、不登校数の増加につながってしまいました。
 また、一部の教員の教育活動が、安易なもの、表層的なものになってしまった面もあります。その根底には、一部の教育関係者に、勉強を敵視し、知的な面の成長を軽視する反知性主義ともいえる迷いがありました。
つづく・・・