妬みという感情は、大人も子どもも共通してもつものです。子ども社会では、妬みが原因で、いじめやきょうだいけんかなども起こります。妬みを感じるようになった子どもに対してどのようにかかわればよいのでしょうか。東北工業大学准教授で臨床心理士の布柴(ぬのしば)靖枝さんに聞きました。
一人一人に特別な言葉掛けを
 ――子どもはいつごろから妬み感情をもつようになるのですか。
 妬みは他人と自分を比較できる力をもつようになった時に、表れるようになります。これが過度に強いと、相手の足を引っ張る言動をしたり、実際に相手を傷つけたりすることが起きます。
 不可解な争いが起きた時には、妬みが原因になっている場合がよくあります。妬みは、あまり注目それませんが、子どもと大人が共通してもつ感情であり、社会生活に大きな影響を与えています。
 ――妬みが原因の問題を具体的に教えてください。
 分かりやすい例としては、学校でのいじめ、家庭でのきょうだいけんかを挙げることができます。
 学校ではと、一人の特別な子がいると、ほかの子の妬みをかきたててしまい、いじめのターゲットにされる場合があります。
 家庭では、一方が親からの愛情に不公平を感じるときょうだいげんかが多くなるようです。具体的には、おやつの取り合いや、おもちゃの奪い合いなどが起きています。
 ――妬みが原因のきょうだいげんかを少なくするために大切なことは?
 不公平感を払(ふっ)しょくすることです。それは普段のかかわりの中で、時折「○○ちゃんが一番好きよ」と特別な言葉を掛けてあげると効果的です。
 子どもは、親が自分を一番愛してくれると思うと、心が満たされ、安心します。親に十分に認められたきょうだい間では、取り合うようなけんかは起こりにくくなります。
 ――安心感が大事なのですね。
 ええ。そもそも、妬み感情は、「健康な感情の一つ」といわれています。「あの人のようになりたい」と尊敬のまなざしをもち、成長の原動力になるものなのです。
 しかし、実際には、自他を困らせるやっかいなエネルギーになっている場合が多いようです。
つづく・・・