高齢者の転倒・転落事故が増えています。中には骨折して寝たきりになってしまう人もおり、生活に多大な影響を与えることになります。東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課では、1999~2001年、05年に高齢者の危害危険に関する分析を行い、その結果を「高齢者の事故防止マニュアル」として発表・配布しています。同マニュアルを基に、高齢者の転倒・転落事故の事例と予防法を紹介します。
4人に1人が転倒を体験
同課の調査では、高齢者の4人に1人が1年間に歩行中の転倒・転落を経験しており、このうち約8割がけがをしています。転倒・転落の原因で一番多いのは「つまずいた」。ほかに「バランスを崩した」「滑った」「よろけた」「ふらついた」など、体力や筋力の低下による原因が大きな割合を占めています。
個人差はありますが、人は年齢とともに身体的な活動能力やバランス感覚、注意力が徐々に衰えていきます。加齢による足の老化もあり、すり足で歩くため、わずかな段差でもつまずいて転倒しやすくなります。こうした点を、高齢者自身が自覚して行動することが重要です。
歩くことが予防の基本
事故の防止で大事な点は、高齢者自身が日常生活の中で、小まめに体を動かすことです。
基本は「歩く」こと。買い物、散歩などで積極的に歩くとともに、掃除、洗濯、炊事で頻繁に体を動かしましょう。
適度な運動は筋力を維持し、バランス能力を高めます。定期的に健康診断を受けるとともに、禁煙、節酒、バランスの取れた食生活で、体調管理に努めてください。
積極的に外出して人との交わり、趣味やサークルを通して、楽しみや生きがいを見つけていくことも体を動かすきっかけになります。身近な心掛けで事故を予防し、健康で充実した日々を送りましょう。
家庭内で
【事故例】
①夜中にトイレに行くために起き、明かりをつけず階段を手探りで下りたが、途中で足を踏み外して転落。足首をねんざした。(76歳男性)
②玄関で靴を履くために、片方の足で靴の向きを変えようと片足立ちしたが、バランスを崩して転倒。骨折した(81歳女性)
【対策】
高齢者は比較的安全と思われがちな家庭内で事故に遭い、打撲や骨折という大きなけがをしてしまいます。事故の原因は、わずかな段差や布団でのつまずき、階段や脚立からの落下など。家庭内での事故の7割は一人でいる時に起きています。
身近な対策としては、階段や廊下に手すりをつける、玄関に式台を置く、敷居と床などの段差の解消のためにミニスロープを設置する。
また、日ごろから足元の整理整頓を心掛ける、脚立や台を使わないと取れない高い場所に物を置かない、足元の暗い所には人感センサー付きのライトをつけて明るくする、などが揚げられます。
つづく・・・